2021年09月27日

英文読解入門 1 序論&基本5文型+α!

 英文読解入門鉛筆.gif [9回シリーズ]

 1 序論&基本5文型+α!
 2 英語構文ルールの理解!(品詞からの考察)
 3 句(phrase):to V(不定詞)!
 4 句(phrase):Ving(動名詞・現在分詞)!
 5 句(phrase):Vp.p.(過去分詞)!
 6 句(phrase):前置詞句(前置詞+名詞)!
 7 句(phrase)の判別法!
 8 節(clause)!
 9 節(clause)の判別法!

 (注)日本語訳は英語の語順に従って
   カタマリで原則的に左から右に訳して、
   同形反復は並列して解説しています


 英文読解入門 1 概論&基本5文型+α!

 単語はたくさん覚えて、
 英文法もある程度勉強した。

 英文も自分なりに読んでいて
 簡単な英文は理解できるが
 ちょっと複雑な英文はわからない

 そんなことはありませんか?

 その理由の多くは、
 英語構文(=英文の構造)が
 理解できていないことになります

 英文が正しく読解できるには、
 最初に英語構文をおさえて
 英文を「正確に読む」ことが大切です228.gif

 そのためには

 1 基本5文型(文の要素と修飾語)+αの理解
 2 英語構文ルールの理解!(品詞からの考察)
 3 句と節の理解

 この3つの学習が必須ですぐ.gif

 英文がスラスラ読めて同時に理解できる人は
 この3つのことが瞬時にできています

 この新しい講座『英文解釈入門《基礎編》』では
 英文を「正確に読む」基礎レベルの完成を目的に
 作成しています

 例文は中学英語&高1レベルの英文です

 入門編228.gifですので、
 「もう知ってるよ」という話も登場するでしょうが(笑い)
 何事も基礎は大切ですよね

 肩の力を抜いて楽しく学んでください

1 基本5文型(文の要素と修飾語)+3文型(受動態)の理解

  【英文の大原則】

  英語は「言葉の順序」で意味を伝えていく言語であり、
  原則的に語順は厳密に決められている。

  そして、英文は、ふつう
  主部[主題(〜は)+述部[陳述(〜である)]から成り立っている


  (注)正式には 主題(Theme シーム)+説述(Rheme リーム)といいます

  では、少し演習をしてみましょう

 【演習】次の英文を読んで、主部と述部の間に縦線(|)を入れましょう

  1 The phone rang.
  2 I like tennis very much.
  3 His mother is a teacher.
  4 My uncle lives in Australia.
  5 The teacher came into the classroom.
  6 Many beautiful flowers bloom in spring.
  7 The concert begins at seven this evening.
  8 The book on the desk is my father’s.

 どうでしたか? 

 うまく〈主部〉と〈述部〉に分けることができましたか?

 【正解】

    〈主部〉    〈述部〉
  1 The phone  | rang.

  2 I        | like tennis very much.

  3 His mother | is a teacher.

  4 My uncle | lives in Australia.

  5 The teacher | came into the classroom.

  6 Many beautiful flowers | bloom in spring.

  7 The concert | begins at seven this evening.

  8 The book on the desk | is my father’s.

 これは簡単ですね

 では、話を進めていきます

 「主部」の中心となる単語(名詞)「主語」(subject略してS)
 「述部」の中心となる単語(動詞)「述語動詞」(verb略してV)
  と呼びます。

 (実際には「述語動詞」は単に「動詞」と呼ぶことが多い)

 【大原則】英文は、基本は1文1動詞!

  S(構造上の主語)+V(述語動詞)・・・.

  1つの英文にV(述語動詞)は1つ


  ※ この文を単文(simple sentence)といいます

 そして

 英語の文はその「述部」の最初に来る
 V(述語動詞)の性質によって
 大きく5つのパターン(=文型)に分かれます
   ←ここは重要 試験にでます鉛筆.gif

 (注)これからは〈主部〉|〈述部〉の境の縦線(|)は省略していきます

 【第1文型】 S+V 

  用例1 Birds fly.
       S   V
       鳥  飛ぶ

  ただし、実際は、M(Modifier=修飾語(句)がくる場合がよくある

  用例2 My friends lives in Osaka.
          S    V   M
      私の友人 住んでいる 〜に 大阪

   M(Modifier=修飾語(句)がくる理由は、情報構造 (Information Structure)

   英語の構文勉強は、2つの考え方があります。
   @文法構造 (Grammatical Structure)から英文を理解する考え方150.gif
   A情報構造 (Information Structure)から英文を理解する考え方150.gif
 
   A情報構造 (Information Structure) は、
   学校ではあまり学ぶことがない考え方ですが、
   英語を読むときだけでなく、聞いたり、書いたり、
   話したりする際にも重要な役割があります。

  【大原則】@ 英文は、主に旧情報(Given) から新情報(New)へ展開される!
   用例  I walked into a room.  The room was enormous.
       旧情報(Given) 新情報(New)   旧情報(Given) 新情報(New)
       (私は歩いて ある部屋に入った その部屋は すごく大きかった)

  【大原則】A 英文は、必ず1つの文に新情報(New)が1つなければならない!
   用例 (a) I have a friend.    He lives in Osaka. 〇
        旧情報(Given) 新情報(New)  旧情報(Given) 新情報(New)
        (私は友人がいる  彼は住んでいます 大阪に)
       (b) I have a friend.     He lives.     ×
        旧情報(Given) 新情報(New)  旧情報(Given)
        (私は友人がいる  彼は住んでいます)

  (a)(b)は文法的には第1文型[SV]でどちらも正しい文ですが、
  情報構造的には(a)は正しい文ですが(b)は正しい文ではありません。

  (a)の文は in Osaka 新情報(New)が1つあります。
  (b)の文は 新情報(New)がありません。
  He lives「彼は住んでいる」は旧情報(Given)で、これだけ
  では情報構造的には正しい文にならないのです。

  用例3 He came home  safely yesterday.
       S  V  M(場所) M(様態) M(時)
       彼  来た 家へ   安全に  昨日
 
  実際、英文にはさまざまなM(Modifier=修飾語(句)がくる

  用例4 Those day  I  often  went  to Kyoto every weekend.
      M(文頭副詞) S M(頻度)  V  M(場所) M(時)
       当時    私  よく   行った 〜へ   毎週末

  文頭にM(Modifier=修飾語(句)がくることもよくある

 【第1文型の特徴】 Vは単なる「動作」「状態」をあらわす

【第2文型】 S+V+C(Complement=補語) [=主語説明文]

 用例 He was a teacher.  (be動詞)
     S  V   C(=補語)
    彼 だった   先生
    He became a teacher.  (状態変化動詞)
    彼 なった   先生
    He got angry.
    彼 なった 腹を立てて 
    She looks pretty.   (感覚動詞)
    彼女 見える 可愛い
    She kept silent.     (状態継続動詞)
    彼女 続けた 沈黙の
    She seemed happy.   (知覚(認識)動詞)
    彼女 思われた 幸福な

 【第2文型の特徴】S =(イコール) C 

  なお、第1文型・第2文型で使われる動詞を【自動詞】といいます

【第3文型】 S+V+O(Object=目的語)

 用例 I kicked the ball.  【動作動詞(=意志動詞)】
       →
     S  V  O(=目的語)         
    私 蹴った  ボール
   
 用例 I know Paris.    【状態動詞(=無意志動詞)】
       →
     S  V  O(=目的語) 
    私 知っている パリ

 【第3文型の特徴】SはOに物理的 or 心理的な力(→)を加える

【第4文型】 S+V+O1+O2

 用例 I gave Tom         a ball.
      →
     S  V  O1(=間接目的語) O2(=直接目的語)
    私 与えた トム       ボール
  
 【第4文型の特徴】SはO1<人>にO2 <モノ・コト> を与える

【第5文型】 S+V+O+C  [=目的語説明文]

 用例 I call her      Yuri.
      →
    S  V O(=目的語) C(=補語)
    私 呼ぶ  彼女   ユリ

    The news made her happy.
           →
       S    V O(=目的語) C(=補語)
     [原因]  →   [結果]
    その知らせ した 彼女 うれしい
    (=その知らせのせいで、彼女はうれしくなった)

 【第5文型の特徴】O+C に必ず『S´→ P´(意味上の主語→述語)の関係』がある。

 (参考)実際はCには7つのパターンがあります

 なお、第3文型・第4文型・第5文型で使われる動詞は目的語(O)をとるので
 【他動詞】といいます


 【読解鉄則】 SVOC Cのバリエーション 7つのパターン!
 第5文型 SVO は、O(目的語)とC(補語)に必ず 
 S´→ P´(意味上の主語→述語)の関係がある!


 @ SVO (to be) C  →「OがCである」 【C:名詞 or 形容詞
   I believe him (to be) kind.
     →   S´      → P´
   (私は彼は親切だと思う)
    【OCの関係】O=C

 A SVO as C →「OがCである」  【C:名詞 or 形容詞
   We regard our leader as trustworthy.
      →       S´   → P´
   (私たちはリーダーが信頼できるとみなしている)
   前置詞 as のイメージ:「同時」
   【OCの関係】O=C

 B SVO to V →「OはこれからVする」 
   I expect him to come early.
     →   S´   → P´
   (私は彼が早く来ることを期待している)
   to V(to 不定詞)のイメージ:「(これから)〜すること」
   【OCの関係】Oは(これから)〜する

 C SVO from Ving →「OにVさせない」
   Business prevented him from going.
           →    S´  ←・→ P´
   S[原因] ⇒ OC[結果] 論理=【因果関係】!
   (用事は彼が行くことを妨げた
    =用事のせいで、彼は行けなかった)
   【OCの関係】Oは〜しない

 D SVO V(toなし不定詞)→「OはVする」
   I saw her cross the street.
    →  S´→ P´
   (私は彼女が通りを渡るのを見た)
   【V:知覚動詞、使役動詞】
   【OCの関係】Oは〜する(能動)

 E SVO Ving →「OはVしている」
   I saw her crossing the street.
    →  S´ → P´
   (私は彼女が通りを渡っているのを見た)
   Ving(=動詞の現在分詞)のイメージ:「すでに〜している」⇒「実際に〜している」
   (参考)Ving=「躍動感」  動作の「イキイキ感」をあらわす!

   【V:知覚動詞、使役動詞、状態継続動詞(keep, leave)など】
   【OCの関係】Oは〜している(進行)

 F SVO Vp.p. →「OはVされる」
   I had my watch repaired.
     →   S´   → P´
   (私は腕時計を修理してもらった)
   Vp.p.(=動詞の過去分詞)のイメージ:「〜される・〜されている」
    [受身] 動作を受ける!

   (注)Vp.p.(過去分詞)には、「過去」の意味はない!  
   (参考)Vp.p.=『受身・完了分詞』
   【V:知覚動詞、使役動詞、状態継続動詞(keep, leave)など】
   【OCの関係】Oは〜される(受動)


 +α

【第6文型】 S + be Vp.p.(過去分詞)  [=第3文型 S+V+O(目的語)の受動態]

 用例 Lucy is loved by everyone.
         = ←
     S   V   M
    ルーシー 愛されている 〜によって みんな

    ※ この文型のbeは助動詞 
      ←:力を受ける

 (参考)Everyone loves Lucy.
            →
      S      V  O
     みんな  愛する ルーシー

     Lucy is loved by everyone.
         = ← 
      S   V   M

 【受動態の大原則】受動態は能動態のO(=目的語)をS(=主語)にした文

  もちろん、第1文型 S+V、第2文型 S+V+C(補語)に受動態はありません

  【第6文型の特徴】 Sは力(←)を加えられる

【第7文型】 S + be Vp.p.(過去分詞) + O(=目的語) [=第4文型 S+V+O1+O2の受動態]

 用例 I was given a present by Lucy.
       =  ←
     S  V    O(=目的語) M
     私 与えられた プレゼント 〜によって ルーシー

 (参考)Lucy gave me a present.
         →
     S   V  O1  O2
     ルーシー 与えた 私 プレゼント

     I was given a present by Lucy.
       =  ←
     S V     O(=目的語) M

   ※ この英文はO1(=間接目的語)がS(=主語)になった文

 【第7文型の特徴】V(be Vp.p.(過去分詞)の後にO(=目的語)がある

  (参考)学校文法では保留目的語といいます

【第8文型】 S + be Vp.p.(過去分詞) + C(=補語) [=第5文型 S+V+O+Cの受動態]

 用例 She is called Yuri (by me).
         = ←
     S   V    C(=補語) M
     彼女 呼ばれている ユリ (〜によって 私)
     『S´     → P´(意味上の主語→述語)の関係』

 (参考) I call her    Yuri.
      S  V   O(=目的語) C(=補語)
         →
      私 呼ぶ  彼女   ユリ
            『S´→ P´(意味上の主語→述語)の関係』

      She is called Yuri (by me).
         = ←
      S   V    C(=補語) M
      『S´     → P´(意味上の主語→述語)の関係』

 用例 The room was kept clean by me.
            = ←
         S    V  C(=補語) M
      その部屋 ままにされた きれいな 〜によって 私 
      『S´       → P´(意味上の主語→述語)の関係』

  (参考)I kept the room clean.
        →
      S V O(=目的語) C(=補語)
      私 ままにした 部屋 きれいな
             『S´ → P´(意味上の主語→述語)の関係』

      The room was kept clean by me.
             =  ←
          S    V    C(=補語) M
       『S´        → P´(意味上の主語→述語)の関係』

  実際、Cに7つのバリエーションがあります

 【第8文型の特徴】S→C に必ず『S´→ P´(意味上の主語→述語)の関係』がある。

  ※ この考え方はとても大切なのに意外と見落としている人がいます


 まとめ 

 【英文の大原則】

 英語は「言葉の順序」で意味を伝えていく言語であり、
 原則的に語順は厳密に決められている。

 英文:主部[主題(〜は)+述部[陳述(〜である)]


 【英語5文型+α】

 第1文型 S+V
 第2文型 S+V+C(補語)
 第3文型 S+V+O(目的語)
 第4文型 S+V+O1+O2
 第5文型 S+V+O+C

 第6文型 S + be Vp.p.(過去分詞)
 第7文型 S + be Vp.p.(過去分詞) + O(=目的語)
 第8文型 S + be Vp.p.(過去分詞) + C(=補語)

 【文の要素】

 S(主語)   → 主部の中心になる語、品詞は名詞のみがくる!
 V(述語動詞) → 述部の先頭に来る語、品詞は動詞がくる!(当たり前)
 O(目的語)  → 動詞の対象になる語、品詞は名詞のみがくる!
 C(補語)   → 動詞の意味を完全にするために補う語、
          品詞は名詞または形容詞がくる!

 S(主語)、V(述語動詞)、O(目的語)、C(補語)を
 「文の要素」(英文の骨組みになる語)といいます
 

 M(修飾語(句))
 →文の要素以外で、付属的な働きをする語(句)
  文中で形容詞(名詞修飾)副詞(名詞以外を修飾)の働きをする  

 次回は、英文読解入門 2 英語構文ルールの理解!(品詞からの考察)

 について学びます (^.^)

 [参考おすすめ書籍]83.gif
 
基礎徹底 そこが知りたい英文読解.JPG

 基礎徹底 そこが知りたい英文読解

 高橋 義昭(たかはし よしあき)佐藤 治雄(さとう はるお)
 斎藤 資晴(さいとう もとはる)武富 直人(たけとみ なおと)(共著)駿台文庫

 (2000年4月19日 初版第1刷発行)
 (2014年4月 8日 初版第13刷発行)

 ロングセラーの本150.gif

 「正確に意味をつかむ」レベルを目指す人のための本で
 「英文の基本構造」を把握することができます


 例文は易しくて解説はすごく丁寧です
posted by ついてるレオ at 10:33| 英文読解入門 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする