
1 序論&基本5文型+α!
2 英語構文ルールの理解!(品詞からの考察)
3 句(phrase):to V(不定詞)!
4 句(phrase):Ving(動名詞・現在分詞)!
5 句(phrase):Vp.p.(過去分詞)!
6 句(phrase):前置詞句(前置詞+名詞)!
7 句(phrase)の判別法!
8 節(clause)!
9 節(clause)の判別法!
(注)日本語訳は英語の語順に従って
カタマリで原則的に左から右に訳して、
同形反復は並列して解説しています
英文読解入門 1 概論&基本5文型+α!

単語はたくさん覚えて、
英文法もある程度勉強した。
英文も自分なりに読んでいて
簡単な英文は理解できるが
ちょっと複雑な英文はわからない

そんなことはありませんか?
その理由の多くは、
英語構文(=英文の構造)が
理解できていないことになります
英文が正しく読解できるには、
最初に英語構文をおさえて
英文を「正確に読む」ことが大切です

そのためには
1 基本5文型(文の要素と修飾語)+αの理解

2 英語構文ルールの理解!(品詞からの考察)

3 句と節の理解

この3つの学習が必須です

英文がスラスラ読めて同時に理解できる人は
この3つのことが瞬時にできています

この新しい講座『英文解釈入門《基礎編》』では
英文を「正確に読む」基礎レベルの完成を目的に
作成しています
例文は中学英語&高1レベルの英文です
入門編

「もう知ってるよ」という話も登場するでしょうが(笑い)
何事も基礎は大切ですよね
肩の力を抜いて楽しく学んでください
1 基本5文型(文の要素と修飾語)+3文型(受動態)の理解

【英文の大原則】
英語は「言葉の順序」で意味を伝えていく言語であり、
原則的に語順は厳密に決められている。
そして、英文は、ふつう
主部[主題(〜は)+述部[陳述(〜である)]から成り立っている
(注)正式には 主題(Theme シーム)+説述(Rheme リーム)といいます
では、少し演習をしてみましょう
【演習】次の英文を読んで、主部と述部の間に縦線(|)を入れましょう
1 The phone rang.
2 I like tennis very much.
3 His mother is a teacher.
4 My uncle lives in Australia.
5 The teacher came into the classroom.
6 Many beautiful flowers bloom in spring.
7 The concert begins at seven this evening.
8 The book on the desk is my father’s.
どうでしたか?
うまく〈主部〉と〈述部〉に分けることができましたか?
【正解】
〈主部〉 〈述部〉
1 The phone | rang.
2 I | like tennis very much.
3 His mother | is a teacher.
4 My uncle | lives in Australia.
5 The teacher | came into the classroom.
6 Many beautiful flowers | bloom in spring.
7 The concert | begins at seven this evening.
8 The book on the desk | is my father’s.
これは簡単ですね

では、話を進めていきます
「主部」の中心となる単語(名詞)を「主語」(subject略してS)
「述部」の中心となる単語(動詞)を「述語動詞」(verb略してV)
と呼びます。
(実際には「述語動詞」は単に「動詞」と呼ぶことが多い)
【大原則】英文は、基本は1文1動詞!
S(構造上の主語)+V(述語動詞)・・・.
1つの英文にV(述語動詞)は1つ
※ この文を単文(simple sentence)といいます
そして
英語の文はその「述部」の最初に来る
V(述語動詞)の性質によって
大きく5つのパターン(=文型)に分かれます ←ここは重要 試験にでます

(注)これからは〈主部〉|〈述部〉の境の縦線(|)は省略していきます
【第1文型】 S+V
用例1 Birds fly.
S V
鳥 飛ぶ
ただし、実際は、M(Modifier=修飾語(句)がくる場合がよくある
用例2 My friends lives in Osaka.
S V M
私の友人 住んでいる 〜に 大阪
M(Modifier=修飾語(句)がくる理由は、情報構造 (Information Structure)
英語の構文勉強は、2つの考え方があります。
@文法構造 (Grammatical Structure)から英文を理解する考え方

A情報構造 (Information Structure)から英文を理解する考え方

A情報構造 (Information Structure) は、
学校ではあまり学ぶことがない考え方ですが、
英語を読むときだけでなく、聞いたり、書いたり、
話したりする際にも重要な役割があります。
【大原則】@ 英文は、主に旧情報(Given) から新情報(New)へ展開される!
用例 I walked into a room. The room was enormous.
旧情報(Given) 新情報(New) 旧情報(Given) 新情報(New)
(私は歩いて ある部屋に入った その部屋は すごく大きかった)
【大原則】A 英文は、必ず1つの文に新情報(New)が1つなければならない!
用例 (a) I have a friend. He lives in Osaka. 〇
旧情報(Given) 新情報(New) 旧情報(Given) 新情報(New)
(私は友人がいる 彼は住んでいます 大阪に)
(b) I have a friend. He lives. ×
旧情報(Given) 新情報(New) 旧情報(Given)
(私は友人がいる 彼は住んでいます)
(a)(b)は文法的には第1文型[SV]でどちらも正しい文ですが、
情報構造的には(a)は正しい文ですが(b)は正しい文ではありません。
(a)の文は in Osaka 新情報(New)が1つあります。
(b)の文は 新情報(New)がありません。
He lives「彼は住んでいる」は旧情報(Given)で、これだけ
では情報構造的には正しい文にならないのです。
用例3 He came home safely yesterday.
S V M(場所) M(様態) M(時)
彼 来た 家へ 安全に 昨日
実際、英文にはさまざまなM(Modifier=修飾語(句)がくる
用例4 Those day I often went to Kyoto every weekend.
M(文頭副詞) S M(頻度) V M(場所) M(時)
当時 私 よく 行った 〜へ 毎週末
文頭にM(Modifier=修飾語(句)がくることもよくある
【第1文型の特徴】 Vは単なる「動作」「状態」をあらわす
【第2文型】 S+V+C(Complement=補語) [=主語説明文]
用例 He was a teacher. (be動詞)
S V C(=補語)
彼 だった 先生
He became a teacher. (状態変化動詞)
彼 なった 先生
He got angry.
彼 なった 腹を立てて
She looks pretty. (感覚動詞)
彼女 見える 可愛い
She kept silent. (状態継続動詞)
彼女 続けた 沈黙の
She seemed happy. (知覚(認識)動詞)
彼女 思われた 幸福な
【第2文型の特徴】S =(イコール) C
なお、第1文型・第2文型で使われる動詞を【自動詞】といいます
【第3文型】 S+V+O(Object=目的語)
用例 I kicked the ball. 【動作動詞(=意志動詞)】
→
S V O(=目的語)
私 蹴った ボール
用例 I know Paris. 【状態動詞(=無意志動詞)】
→
S V O(=目的語)
私 知っている パリ
【第3文型の特徴】SはOに物理的 or 心理的な力(→)を加える
【第4文型】 S+V+O1+O2
用例 I gave Tom a ball.
→
S V O1(=間接目的語) O2(=直接目的語)
私 与えた トム ボール
【第4文型の特徴】SはO1<人>にO2 <モノ・コト> を与える
【第5文型】 S+V+O+C [=目的語説明文]
用例 I call her Yuri.
→
S V O(=目的語) C(=補語)
私 呼ぶ 彼女 ユリ
The news made her happy.
→
S V O(=目的語) C(=補語)
[原因] → [結果]
その知らせ した 彼女 うれしい
(=その知らせのせいで、彼女はうれしくなった)
【第5文型の特徴】O+C に必ず『S´→ P´(意味上の主語→述語)の関係』がある。
(参考)実際はCには7つのパターンがあります
なお、第3文型・第4文型・第5文型で使われる動詞は目的語(O)をとるので
【他動詞】といいます
【読解鉄則】 SVOC Cのバリエーション 7つのパターン!
第5文型 SVO は、O(目的語)とC(補語)に必ず
S´→ P´(意味上の主語→述語)の関係がある!
@ SVO (to be) C →「OがCである」 【C:名詞 or 形容詞】
I believe him (to be) kind.
→ S´ → P´
(私は彼は親切だと思う)
【OCの関係】O=C
A SVO as C →「OがCである」 【C:名詞 or 形容詞】
We regard our leader as trustworthy.
→ S´ → P´
(私たちはリーダーが信頼できるとみなしている)
前置詞 as のイメージ:「同時」
【OCの関係】O=C
B SVO to V →「OはこれからVする」
I expect him to come early.
→ S´ → P´
(私は彼が早く来ることを期待している)
to V(to 不定詞)のイメージ:「(これから)〜すること」
【OCの関係】Oは(これから)〜する
C SVO from Ving →「OにVさせない」
Business prevented him from going.
→ S´ ←・→ P´
S[原因] ⇒ OC[結果] 論理=【因果関係】!
(用事は彼が行くことを妨げた
=用事のせいで、彼は行けなかった)
【OCの関係】Oは〜しない
D SVO V(toなし不定詞)→「OはVする」
I saw her cross the street.
→ S´→ P´
(私は彼女が通りを渡るのを見た)
【V:知覚動詞、使役動詞】
【OCの関係】Oは〜する(能動)
E SVO Ving →「OはVしている」
I saw her crossing the street.
→ S´ → P´
(私は彼女が通りを渡っているのを見た)
Ving(=動詞の現在分詞)のイメージ:「すでに〜している」⇒「実際に〜している」
(参考)Ving=「躍動感」 動作の「イキイキ感」をあらわす!
【V:知覚動詞、使役動詞、状態継続動詞(keep, leave)など】
【OCの関係】Oは〜している(進行)
F SVO Vp.p. →「OはVされる」
I had my watch repaired.
→ S´ → P´
(私は腕時計を修理してもらった)
Vp.p.(=動詞の過去分詞)のイメージ:「〜される・〜されている」
[受身] 動作を受ける!
(注)Vp.p.(過去分詞)には、「過去」の意味はない!
(参考)Vp.p.=『受身・完了分詞』
【V:知覚動詞、使役動詞、状態継続動詞(keep, leave)など】
【OCの関係】Oは〜される(受動)
+α
【第6文型】 S + be Vp.p.(過去分詞) [=第3文型 S+V+O(目的語)の受動態]
用例 Lucy is loved by everyone.
= ←
S V M
ルーシー 愛されている 〜によって みんな
※ この文型のbeは助動詞
←:力を受ける
(参考)Everyone loves Lucy.
→
S V O
みんな 愛する ルーシー
Lucy is loved by everyone.
= ←
S V M
【受動態の大原則】受動態は能動態のO(=目的語)をS(=主語)にした文
もちろん、第1文型 S+V、第2文型 S+V+C(補語)に受動態はありません
【第6文型の特徴】 Sは力(←)を加えられる
【第7文型】 S + be Vp.p.(過去分詞) + O(=目的語) [=第4文型 S+V+O1+O2の受動態]
用例 I was given a present by Lucy.
= ←
S V O(=目的語) M
私 与えられた プレゼント 〜によって ルーシー
(参考)Lucy gave me a present.
→
S V O1 O2
ルーシー 与えた 私 プレゼント
I was given a present by Lucy.
= ←
S V O(=目的語) M
※ この英文はO1(=間接目的語)がS(=主語)になった文
【第7文型の特徴】V(be Vp.p.(過去分詞)の後にO(=目的語)がある
(参考)学校文法では保留目的語といいます
【第8文型】 S + be Vp.p.(過去分詞) + C(=補語) [=第5文型 S+V+O+Cの受動態]
用例 She is called Yuri (by me).
= ←
S V C(=補語) M
彼女 呼ばれている ユリ (〜によって 私)
『S´ → P´(意味上の主語→述語)の関係』
(参考) I call her Yuri.
S V O(=目的語) C(=補語)
→
私 呼ぶ 彼女 ユリ
『S´→ P´(意味上の主語→述語)の関係』
She is called Yuri (by me).
= ←
S V C(=補語) M
『S´ → P´(意味上の主語→述語)の関係』
用例 The room was kept clean by me.
= ←
S V C(=補語) M
その部屋 ままにされた きれいな 〜によって 私
『S´ → P´(意味上の主語→述語)の関係』
(参考)I kept the room clean.
→
S V O(=目的語) C(=補語)
私 ままにした 部屋 きれいな
『S´ → P´(意味上の主語→述語)の関係』
The room was kept clean by me.
= ←
S V C(=補語) M
『S´ → P´(意味上の主語→述語)の関係』
実際、Cに7つのバリエーションがあります

【第8文型の特徴】S→C に必ず『S´→ P´(意味上の主語→述語)の関係』がある。
※ この考え方はとても大切なのに意外と見落としている人がいます

まとめ
【英文の大原則】
英語は「言葉の順序」で意味を伝えていく言語であり、
原則的に語順は厳密に決められている。
英文:主部[主題(〜は)+述部[陳述(〜である)]
【英語5文型+α】
第1文型 S+V
第2文型 S+V+C(補語)
第3文型 S+V+O(目的語)
第4文型 S+V+O1+O2
第5文型 S+V+O+C
第6文型 S + be Vp.p.(過去分詞)
第7文型 S + be Vp.p.(過去分詞) + O(=目的語)
第8文型 S + be Vp.p.(過去分詞) + C(=補語)
【文の要素】
S(主語) → 主部の中心になる語、品詞は名詞のみがくる!
V(述語動詞) → 述部の先頭に来る語、品詞は動詞がくる!(当たり前)
O(目的語) → 動詞の対象になる語、品詞は名詞のみがくる!
C(補語) → 動詞の意味を完全にするために補う語、
品詞は名詞または形容詞がくる!
S(主語)、V(述語動詞)、O(目的語)、C(補語)を
「文の要素」(英文の骨組みになる語)といいます
M(修飾語(句))
→文の要素以外で、付属的な働きをする語(句)
文中で形容詞(名詞修飾)や副詞(名詞以外を修飾)の働きをする
次回は、英文読解入門 2 英語構文ルールの理解!(品詞からの考察)
について学びます (^.^)
[参考おすすめ書籍]

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