B表現

英語は、 行為は明示する

日本語は、行為は暗示する

ある学校の教室において
授業中に数人の生徒が
おしゃべりをしていたとします。
この場合、
相手をたしなめる言葉として
日本人の教師はこう言います。
「うるさい


でも、この言葉って
状況を指摘しているだけですよね
これを、英語で
“It is noisy!” と言っても
メッセージは伝わらない。
相手は
“So what

言って終わり
日本語では、
相手に行動を命令したり、
強要したりする表現をさける
傾向があるかも?
現状を説明したら、
後は、相手が察してくれて
行動してくれるだろう、
と暗示の理解があるのです。
一方、さきほどのケース
英語の教師なら、こう言うでしょう
“Be quiet

“Cut it out

英語では、相手が静かになるように
直接行為を明示して相手に行動を求める。
もうひとつ例をあげますね
あるマダムが
有名宝石店でダイアモンドの指輪を購入しました

でも、その指輪が少しゆるくなったので
宝石店に行って店員に言います。
“This ring is a little loose.”
(この指輪少しゆるいのです)
このケースも英国圏の店員なら
心の中では
“So what

このマダムが相手に期待するのは
「この指輪を今の状態よりも
すこしきつくしてほしい」
だから、店員には
“Could you make this ring a little bit tighter

(この指輪を少しきつくしていただけませんか)
が通じる英語になります。
最後の例として
あなたが勤務するデパートの
数台あるエレベーターの
1台が故障して使えなくなりました

あなたは上司から
「エレベーターが使えない」という内容の
張り紙を貼るように命令されました

さて、どんな言葉が浮かびますか
日本人の私たちなら
「このエレベーター 使用禁止」

「このエレベーターは使えません」
となるかも?
これを 英語にすると
Don't use this elevator.

(このエレベーターは使えません)
これは、間違いではないですよね
でも、より英語的な表現は
Use another elevator.

(他のエレベーターを使用してください)
日本語の「このエレベーターは使えません」

単に状態を述べているだけ
英語の Use another elevator. は
状況から「では、どうしたらいいのか」という
具体的な行為を明示しています
最初に少しお話しましたが
日本人は
「相手に現状を説明したら、
それを察して、
明確に指摘されなくても行動にうつす」
それが美徳とされてきたのかも
いちいち言われなくても
行動に移して
相手に具体的な指示という
手間、心理的負担

思いやりの表われかもしれないですね
しかし
英語は、現状から
「次にどうするのか」を考えて
直接的で、方向性のはっきりした
具体的な表現を好む


(続く)
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