2022年06月28日

英文読解【応用編】[11回シリーズ] 《4》

英文読解【応用編】[11回シリーズ] 《4》

今回は、自伝(Autobiography)

自分の精神成長の過程や諸経験を,
物語風に自分で記述した伝記です。

【方法】

@ 英文を数回読んで、英文全体の論旨や雰囲気をつかんで
  いくつかの質問に答えましょう!

  なお、この英文を1度読んで内容が理解できる人は
  めっちゃ読解力があると思います(笑い)

A 英文が隅々まで、文法的にも内容的にも
  理解できているかを10段階で自己診断しましょう!

  〈例〉完璧に読めたら【自己診断】10/10
     半分ぐらいなら【自己診断】 5/10

B 【解説】を参考に、

 「なぜ、英文が正しく読めなくなったのか?」

 その理由をつかみましょう!

[状況]
アメリカの文芸批評家 Diana Trilling(1905-96)の晩年の自伝です。
同じく文芸批評家である夫の Lionel Trilling(1905-75)についても
書かれています。

@ Not long after Lionel's death, it occurred to me that in our current spate of biographical writing I, too, might be discovered as a subject; someone going through the documents of our marriage might even perceive that the two of us together made a more interesting subject than either of us alone.

A If this should happen, I wanted the undertaking to be more solidly rooted in truth than was likely were the biographer dependent on existing sources.

B There are now few people alive with even a partially reliable knowledge of our lives as they really were.

C We did not have eventful lives, as this would perhaps now be understood, but our private drama had its intensity.

D In the early eighties, in an initial move to record our personal story, I put on tape some thirty or more interviews in which I answered questions about Lionel's and my upbringings and educations, our literary and political preferences, the good and bad turns in our personal fortunes.

E I at first thought that these in themselves might make a publishable volume.

F When this proved not to be so, I accepted the need―my need―to start again from the beginning and write this memoir.


[出典 Diana Trilling(1905-96)自伝 The Beginning of the Journey (Harcourt Brace, 1993) より]


【質問】

(1) @の英文 A; (セミコロン)Bは、
  @ A⇒B(具体的な説明)でしょうか? 
  A 筆者の心に浮かんだことがAとBでしょうか? (数字で)

  答え:

(2) Aの英文 than was likely
  省略を補って英文を書き換えましょう。 (英語で)

  答え:

  were the biographer dependent on existing sourcesは、文法上、
  どうして倒置されているのでしょう? (日本語で)

  答え:

(3) B our lives as they really were の意味は何でしょう? (日本語で)

  答え:

(4) C 挿入節 as this would perhaps now be understood は文法的に
  どのような役割(=働き)をしているでしょう? (日本語で)

  答え:

(5) F the need はどのような要求だと推測できますか? (日本語で)

  答え:

   my need は筆者のどのような要求だと推測できますか? (日本語で)

  答え:


【自己診断】 /10

さて、どうでしたか?

次回【解説】を紹介します (^.^)


【追伸で〜す】

英文読解【応用編】[11回シリーズ] 《5》【解説】鉛筆.gif
7月2日(土曜日)の予定です

posted by ついてるレオ at 10:36 | TrackBack(0) | 英文読解【応用編】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月25日

英文読解【応用編】[11回シリーズ] 《3》【解説】

英文読解【応用編】[11回シリーズ] 《3》【解説】

今回は、ユダヤ人の歴史、アメリカの文化に関係する英文でした

英文を正確に理解するには
背景知識も非常に重要になってきます

【質問】の解答

(1) @ 英文の挿入節 articulate as they wereは 
  @【譲歩のas】「Sは〜だけれども」A【理由のas】「Sは〜なので」
  どちらでしょうか? (日本語で)

  答え:A【理由のas】「Sは〜なので」

(2) A 英文の 主語 You(「人々一般」)は、本来なら何の代名詞でしょう?
  (英語で)

  答え:They

(3) B 英文の communicate は、辞書的な意味では「意思疎通をする」
  ですが、この英文ではどのような意味になると推測されるでしょうか?
  (日本語で)

  答え:日常会話程度のことを話す

(4) D 英文は現在形が使われています。文法用語で何と言うでしょうか?
  (日本語で)

  答え:歴史的現在

(5) F 英文は第何文型でしょう? (日本語で)

  答え:第3文型

(6) H この英文で、
  an Fourth of July speech(独立記念日のスピーチ)と
  a lecture at the Institute for Public Studies
  (成人教育センターでの講演)は時間的な順序は
  どちらが先(=前)でどちらが後でしょうか? (日本語で)

  答え: 先(=前):独立記念日のスピーチ
       後    :成人教育センターでの講演

【解説】

(注)日本語訳は英語の語順に従って
   カタマリで原則的に左から右に訳して、
   同形反復は並列して解説しています
 

[状況]
第2次世界大戦直前にナチスの迫害を逃れて
アメリカに亡命して来たジャーナリストのユダヤ人 Oskarに
英会話を教えた青年の回想の形式で語られています。

@ To many of these people,
 M(文頭副詞)
 〜にとって 多く これらの人々
 
 articulate as they were,
 挿入 
 明瞭に表現する ? 彼ら だった
          (=many of these people)
        asの意味は保留
 
【読解鉄則】 , 挿入 ,  (コンマによる挿入)
 用法は、接続副詞挿入句・節を入れる!


 〜 as S + V 構文
 @【譲歩のas】「Sは〜だけれども」
   用例 Young as he is, he is very efficient.
   (若いけれども、彼はとても有能である)
 A【理由のas】「Sは〜なので」
   Rich as he is, he can buy anything he wants.
  (金持ちなので、彼はほしいものは何でも買える)

  articulate [形] レベル:9 英検:1級以上の単語
         学校レベル:大学院以上の水準
         TOEICR L&Rスコア:950点以上の単語
  (1)  はっきり発音する、歯切れのよい
  (2) 明瞭に表現する

  この英文では2の意味 明瞭に表現する 
  つまり、はっきりと言いたいことを言う 

  この挿入の 〜 as S Vは
  @【譲歩のas】「Sは〜だけれども」 
  A【理由のas】「Sは〜なので」
  どちらの意味になるのでしょう?

  それを決めるのは、コンテキスト(=前後関係)

  Rich as he is, he is not happy.(金持ちだけれども、彼は幸せではない)
   (=Though he is rich, he is not happy.)
  のように、構文だけで【譲歩のas】「Sは〜だけれども」と判断しては、
  正しく英文を理解できません

the great loss was the loss of language―
                
   最大の損失  =   損失  言語     

 【読解鉄則】 A(ダッシュ)― 
 A(核心的内容)― B(具体的な内容) 
 (注)意外性や期待感を持たせた情報を追加する場合

 

that they could not say what ● was in them to say.
つまり 彼ら 〜できなかった 言う こと 〜の中に 彼ら 言う
   (=言うことができなかった) 
   (=many of these people)          (=many of these people)
                  (注)● 名詞の欠落!

 【読解鉄則】 代名詞・指示語
 代名詞(it, they, them, one(s),など)は「何を受ける?」
 指示語(this, these, that, those, both, such など)は「何を指す?」
 必ず文中の英語でチェックする!


 【読解鉄則】関係代名詞 what 意味「もの、こと」
 先行詞を含み名詞節を導く!
 (注)関係代名詞が導く節内は、名詞の欠落(●)がおこる!


 主節=最大の損失は、言語の損失(=言葉を失ったこと)、すなわち、
 「彼らは心のなかにある言うべきことを口にすることができなかった」

 なので、コンテキスト(=前後関係)より
 挿入の 〜 as S + V 構文は
 A【理由のas】「Sは〜なので」の意味になり
 「彼らは明瞭に表現したので」ということになります

 これらの人々の多くは、言いたいことをはっきり言ってきたので、
 最大の損失は、言葉を失ったこと、すなわち、心の中にある言うべきことを
 口にすることができなかったということなのです。

A You have some subtle thought
     →
あなた もつ 何か微妙な考え
「人々一般」
本来はThey(彼ら)「人々一般」
(=亡命者たち)

 コンテキスト(=前後関係)より「亡命者たち」を指します

 本来なら Theyになる主語を Youにすることで読者に同じ経験を
 思い起こさせて、この話に引き入れる役割があります

and                   .

it comes out like a piece of broken bottle
それ 出てくる 〜のように 一片 壊れた瓶
(=some subtle thought)

 【読解鉄則】 A and B  同形反復(=共通構文)
 等位接続詞(and, but, orなど)を見つけたら、
 何と何(語と語、語句と語句、節と節、文と文)をつないでいるか?
 (注)比較対象は『 同種類(=カテゴリー)&文法上「同形反復」 』!
 (参考)同形反復は並列して解説しています


  何か微妙な考えが浮かぶと、
  壊れた瓶の一かけらのように出てくる。

B They could, of course, manage to communicate
          挿入 
 彼ら 〜できた 確かに 何とか communicate
  (=亡命者たち)           communicate 意味は保留

 but                     .

just to communicate was frustrating
ただ〜だけ communicate  = (人を)欲求不満にさせる
       communicate 意味は保留

C As Karl Otto Alp,
M(文頭副詞)
 〜のように カール・オトー・アルプ

the ex-film star who ● became a buyer for Macy's,
同格
  元映画スター なった 仕入係 〜の メイシーズ百貨店
          (注)● 名詞の欠落!

 【読解鉄則】 同格 
 名詞(相当語句)に、他の名詞(相当語句)を並べて説明するとき、
 この2つの名詞は互いに同格(Apposition)の関係であるといいます!
 名詞, 名詞  (注) 間に,(コンマ)を入れることが多い!
  (注)後ろは『説明』!


 【読解鉄則】 関係詞(=関係代名詞 or 関係副詞) 
 前の名詞(=先行詞)を 説明する節(=形容詞節)の先頭にくる語
 (注)関係代名詞が導く節内は、名詞の欠落(●)がおこる!


put it years later,
述べる 数年後 その後

‘I felt like a child,
「私 感じた 〜のように 子ども 

   or worse,
  いや、もっと悪い

  (I) often (felt) like a moron
   しばしば  〜のように ばか 」

 moron [名] レベル:13 英検:1級以上の単語
 [C](可算名詞)《口語》 ばか,まぬけ


 just to communicate was frustrating. を受けて
 具体的に、Karl Otto Alpの言葉を例にだして、

 「私は子どものように、いや、しばしば、ばかのように感じた

 【読解鉄則】 英文の展開の原則!
 抽象[核心]的内容  ⇒ 具体的説明 
 (メインアイデア)      (サポート)


 コンテキスト(=前後関係)より

 just to communicate was frustrating 抽象[核心]的内容

 I felt like a child….             具体的説明

 より communicate は「子ども程度のことを話す」
 つまり「日常会話程度のことを話す」という意味になると推測されます

 英文ではどの言葉も辞書の定義から多少ずれた形で
 用いられることが少なくないのです


 BC 日本語例

 確かに、彼らは、日常会話程度のことは話すことができたが、
 ただそれだけでは、欲求不満だった。

 メイシーズ百貨店の仕入係だった元映画スター、
 カール・オトー・アルプが数年後述べたように
 「私は子どものように、いや、しばしば、ばかのように感じた。

 彼の言葉は続きます

D I am left with myself unexpressed.
    =           C´(主格補語)
 私 残されている を 自分自身 表現しない
  「歴史的現在」
 (=私は、自分の思うことを表現できないままにされている)

 leave A with B 〈人に〉〔ものを〕残す.
 用例 The payment left me with only one dollar.
    支払ったら 1 ドルしか残らなかった.
    They were left with nothing to eat.
    彼らには食べ物は何も残されていなかった.

 【読解鉄則】 SV + C´(主格補語)
 SV + C´(形容詞)
 文が終わる ⇒
 「〜して、〜しながら」
 主語(S) の状態をあらわす! 後ろは『説明』

 (参考)extra information(=追加、補足情報)と考えてもOK!

 「歴史的現在」(Historic Present)過去の出来事を現在形であらわす。
  物語なので過去の事柄をあたかも眼前の出来事のように伝える場合に
  使われる


  用例 I was just falling asleep in bed when my wife rushes in
     shouting that the house next door is on fire.
     (ベッドに入って寝入ろうとしていると、妻が飛び込んできて、
      隣の家が火事だと叫ぶのです)

E What I know ●, indeed,  what I am ●,
            挿入
 こと 私 知る  それどころか こと 私 
 (=私の知識)          (=私の存在)
   S1                 S2

becomes to me a burden.
  V    M    C
なった  〜には 私  重荷
            新情報(New)

 【読解鉄則】 Information Structure(情報構造)
 英文は旧情報(Given) から新情報(New)へと展開する!


 【読解鉄則】 end focus
 新情報(New)や長く複雑な構造のものは、文の最後に置かれる!
  

 【読解鉄則】 SVC 文の要素の移動!
 自動詞のC(補語)が新情報(New)として文の後に移動することがある!

 (注)「前置詞+名詞」はM(修飾語)

F My tongue hangs useless.’
    S    V    C (=第2文型)
   私の舌 たわんだ 役に立たない」

  hang 【自動詞】レベル:2 英検:準2級以上の単語
     学校レベル:高校1年以上の水準
     TOEICR L&Rスコア:350点以上の単語
     大学入試:センター試験対策レベル
  〔動詞(+補語)〕〈張っているものが〉〈…に〉たわむ,ゆるむ
  (参考)【たわむ】まっすぐのものが力を加えられて、そり曲がった状態になる

G The same with Oskar it figures.
   同じ 〜と オスカー 構文のit 思う
 (=オスカーの場合も同じだったのだろう)

 普通の語順は It figures that the same is true with Oskar.

H There was a terrible sense of useless tongue,
 M(誘導副詞)
   あった ひどい感覚    役に立たない舌

 【読解鉄則】There S 構文 新情報(New)の導入 2つのパターン
 @ 筆者の主張をサポートする実例の提示、一般的な事実の確認
  (参考)for example「たとえば」、in fact 「実際」、
     indeed「実際」などの語を補って読んでいきましょう

 A 筆者の主張を提示 (注)however や butを伴う

 この英文は、@のパターンです!


and

I think (that)  →レポート文
  →  省略
 私 思う 

 【読解鉄則】 レポート文 
 筆者の思考、発言の内容をthat節・wh節・if節(=名詞節)などで表現する文!
 (参考)「節」とは大きな文の一部として使われる「文」のこと。


the reason for his trouble with his other tutors was that
  理由 〜に対する 彼の困難 他の家庭教師

to keep from drowning in things unsaid
 M(文頭副詞)
〜ために 避ける  溺れる 〜の中に こと 言われない

he wanted to swallow the ocean in a gulp:
彼 〜したいと思った 飲みこむ 海 一息で
(=Oskar)

A『抽象』

 【読解鉄則】 A:(コロン) 
 A(核心的な内容)⇒B(具体的な内容) 
 コロンの後ろに続く節は、@説明 Aリストの列記 B引用(=直接話法)
 ここでは@説明の用法です!
 A『抽象』からB『具体』の流れをつかもう!


 彼の他の家庭教師に関する困ったことの理由は、
 言えない状況のなかで溺れることを避けるために
 彼は一息で水を飲みこもうとした          

 抽象的(革新的な内容)

 一息で海の水を飲もうとしたは、比喩表現でもありますね。

 具体的にはどういう行動を取ったのでしょう?

B『具体』 

      Today
      M(文頭副詞)
        今日

      learn English
       V1
       →
      学ぶ 英語

he would and

      tomorrow
      M(文頭副詞)
      明日

      wow them with an impeccable Fourth of July speech,
      → 
      V2
彼 (どうしても) 彼ら      
  〜しようとした やんやと言わせる 〜で 申し分のない 独立記念日 スピーチ
(=Oskar)
 【過去の意志】 (=観衆)  【道具・手段】 A  順序は先(=前)

  wow [動] レベル:11 英検:1級以上の単語
     【他動詞】《俗語》〈観客などを〉やんやと[わーわー]言わせる.

  impeccable [形] レベル:11 英検:1級以上の単語
  (1) 罪を犯さない,罪[過失]のない.
  (2) 欠点のない,申し分のない.
  用例 one's impeccable manners 非の打ち所のない作法.

followed by a successful lecture
次にくる   成功した   講演

at the Institute for Public Studies.
    センター    成人教育

    B 後

 , followed by 「A、続いて B」

 順序は、

  先(=前):an Fourth of July speech(独立記念日のスピーチ)
  後    :a lecture at the Institute for Public Studies
        (成人教育センターでの講演)

 follow [動] 【他動詞】レベル:1 英検:3級以上の単語
        学校レベル:中学以上の水準
        TOEICR L&Rスコア:220点以上の単語
  (時間・順序として)〈…の〉次にくる; 〈…の〉あとを継ぐ
 
 [point] B follow A. 「BはAの次にくる」
      後  → 先(=前)         
  用例 Summer follows spring.   夏は春の次にくる.
      後     →  先(=前)
     「夏」が後で、「春」は先(=前)

      A is followed by B 「AはBの次にくる」
      先(=前)←  後
  用例 The meal was followed by coffee.
      先(=前)   ←    後
     食事のあとにコーヒーが出された.
     「食事」が先(=前)で、「コーヒー」は後


 彼は、今日英語を覚えたら、明日申し分のない
 独立記念日のスピーチで観客をやんやと言わせ、
 その後、成人教育センターでの講演で成功を収めようとした


以上で、英文読解【応用編】[11回シリーズ] 《3》【解説】を終わります (^.^)

【追伸で〜す】

英文読解【応用編】[11回シリーズ] 《4》鉛筆.gif
次回、6月28日(火曜日)紹介予定です


posted by ついてるレオ at 10:00 | TrackBack(0) | 英文読解【応用編】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月21日

英文読解【応用編】[11回シリーズ] 《3》

英文読解【応用編】[11回シリーズ] 《3》

みなさんは、ユダヤ人について聞いたことがありますよね

ユダヤの名称は『旧約聖書』中の太祖ヤコブの子ユダの子孫であることに由来、
バビロン捕囚(BC597〜538)後は、イスラエル人(ヘブライ人)の総称となりました。

ユダヤ戦争(BC66〜70)後、ユダヤの地はついに廃墟と化し
亡国そして世界中に離散(ディアスポラ)するという
悲しい歴史をたどることになります

特に、第2次世界大戦の時期、
ドイツのナチス党は、ユダヤ人を絶滅収容所に送り、組織的に
絶滅政策・大量虐殺(ホロコースト)を行いました

ただし、幸いにもホロコーストを
免(まぬが)れたユダヤ人もたくさんいます

現在の総人口は約1300万

イスラエル国のほか、
アメリカ合衆国、旧ソ連地域、ヨーロッパ諸国に散在していますね

[関連記事]

【ブログ】ついてるレオさん"ハッピー日記"鉛筆.gif

ユダヤ教のお話! 前編 (10 18 2012)
ユダヤ教のお話! 中編 (10 19 2012)
ユダヤ教のお話! 後編 (10 20 2012)


【方法】

@ 英文を数回読んで、英文全体の論旨や雰囲気をつかんで
  いくつかの質問に答えましょう!

  なお、この英文を1度読んで内容が理解できる人は
  めっちゃ読解力があると思います(笑い)

A 英文が隅々まで、文法的にも内容的にも
  理解できているかを10段階で自己診断しましょう!

  〈例〉完璧に読めたら【自己診断】10/10
     半分ぐらいなら【自己診断】 5/10

B 【解説】を参考に、

 「なぜ、英文が正しく読めなくなったのか?」

 その理由をつかみましょう!

[状況]
第2次世界大戦直前にナチスの迫害を逃れてアメリカに亡命して来たジャーナリストのユダヤ人 Oskarに英会話を教えた青年の回想の形式で語られています。

@ To many of these people, articulate as they were, the great loss was the loss of language―that they could not say what was in them to say.

A You have some subtle thought and it comes out like a piece of broken bottle.

B They could, of course, manage to communicate but just to communicate was frustrating.

C As Karl Otto Alp, the ex-film star who became a buyer for Macy's, put it years later, ‘I felt like a child, or worse, often like a moron.

D I am left with myself unexpressed.

E What I know, indeed, what I am, becomes to me a burden.

F My tongue hangs useless.’

G The same with Oskar it figures.

H There was a terrible sense of useless tongue, and I think the reason for his trouble with his other tutors was that to keep from drowning in things unsaid he wanted to swallow the ocean in a gulp: Today he would learn English and tomorrow wow them with an impeccable Fourth of July speech, followed by a successful lecture at the Institute for Public Studies.


[出典‘The German Refugee’Bernard Malamud(1914-86)短編集 Idiots First (Dell, 1963) より]


【質問】

(1) @ 英文の挿入節 articulate as they wereは 
  @【譲歩のas】「Sは〜だけれども」A【理由のas】「Sは〜なので」
  どちらでしょうか? (日本語で)

  答え:

(2) A 英文の 主語 You(「人々一般」)は、本来なら何の代名詞でしょう?(英語で)

  答え:

(3) B 英文の communicate は、辞書的な意味では「意思疎通をする」ですが、
  この英文ではどのような意味になると推測されるでしょうか? (日本語で)

  答え:

(4) D 英文は現在形が使われています。文法用語で何と言うでしょうか?(日本語で)

  答え:

(5) F 英文は第何文型でしょう? (日本語で)

  答え:

(6) H この英文で、an Fourth of July speech(独立記念日のスピーチ)と
  a lecture at the Institute for Public Studies(成人教育センターでの講演)は
  時間的な順序はどちらが先(=前)でどちらが後でしょうか? (日本語で)

  答え: 先(=前):  
       後    :  

【自己診断】 /10

さて、どうでしたか?

次回【解説】を紹介します (^.^)

【追伸で〜す】

英文読解【応用編】[11回シリーズ] 《3》【解説】鉛筆.gif
6月25日(土曜日)の予定です


posted by ついてるレオ at 13:22 | TrackBack(0) | 英文読解【応用編】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月18日

英文読解【応用編】[11回シリーズ] 《2》【解説】

英文読解【応用編】[11回シリーズ] 《2》【解説】

今回の文章は風俗喜劇

登場人物は2人キラキラ.gif

イギリス上流家庭の女主人は
しっかりしゃべっているのですが、
婚約している小間使いの
ややだらしない、舌足らずの英語に
ややイライラされた方もいらっしゃると思います(笑い)

ちなみに、筆者Somerset Maugham(サマセット・モーム)は
日本では小説家として有名ですね

サマセット・モーム.jpg

代表作本.gif
Of Human Bondage (1915)『人間の絆』
The Moon and Sixpence (1919)『月と六ペンス』
はよく知られていますね

劇作家としては20世紀の風俗喜劇の担い手です

【質問】の解答

(1) @のasは俗語的な用法です。従属接続詞の何と同じ用法でしょう?
  (英語で)

  答え:that もしくは whether

  at allはどこを修飾しているでしょう? (英語で)

  答え:proposed

(2) B and he never said anything that you could take hold ofの
  youは、本来なら何の代名詞の代わりに使われているのでしょうか? 
  (英語で)

  答え:I

(3) F mean の意味は何でしょう? (日本語で)

  答え:意図する

  この英文は、具体的には何のことを言っているのでしょう? (日本語で)

  答え:「結婚する気はあるの ないの?」

(4) H if anything's to come of it のitは何を指しているのでしょうか?(日本語で)

  答え:2年間交際してきたこと

(5) K propose の意味は何でしょう? (日本語で)

  答え:提案する

(6) N where I am の意味は何でしょう? (日本語で)

  答え:自分の立場、身分


【解説】

(注)日本語訳は英語の語順に従って
   カタマリで原則的に左から右に訳して、
   同形反復は並列して解説しています
 

@ Well, ma'am,
 M(文頭副詞)
 そうですね 奥様 

I don't know as he exactly proposed at all.
     → (=that / whether)
私 わからない 〜ということ 彼 そもそも プロポーズした 一体
        (〜かどうか)

この英文のat allはどこを修飾しているでしょう?

 @ don’t know なら、「プロポーズされたか(どうか)全くわからない」
  (否定文で)少しも(…でない).
   用例 I don't trust him at all. 私は彼を全然信頼していない.

 A proposed なら、「一体全体プロポーズしたか(どうか)」
   (疑問文で)少しでも, 一体.
   用例 Is there any truth at all in the rumor?
   そのうわさに一体本当のことがあるのか.

  コンテキスト(=前後関係)より、Aですね

A You see,
 いいですか

 ×「ご存知のように」はダメ! 

  【読解鉄則】You see, 2つの意味!
  @ 「ご存知のように」
    相手の承知していることを述べて、驚きまたは非難を避ける場合
  A 「いいですか、こうなのですよ」
    相手が知らない場合、もしくは、うっかり忘れている場合に念を押す場合
    この英文は、Aの意味です!


it was like this.
それ = 〜のような これ
 (=前文 as 節の内容) 【後方照応のthis】

  【読解鉄則】 代名詞・指示語
  代名詞(it, they, them, one(s),など)は「何を受ける?」
  指示語(this, these, that, those, both, such など)は「何を指す?」
  必ず文中の英語でチェックする!


B I'd been walking out with him for something like two years,
 (=I had) = 
 私 交際してきた 彼 〜の間 幾分 〜のような 2年

 【読解鉄則】 S had been Ving(=動詞のing)
 【過去完了進行形】のイメージ:
 「(過去の前の出来事が)過去に迫る & 躍動感」!
 S had been Ving〜(ずっと)〜していた
= 後ろは『説明』
  (参考)Ving=「躍動感」 動作の「イキイキ感」をあらわす!


 時制は、過去完了形がもちいられています。

 この英文から話は過去にさかのぼり、
 プロポーズに至る経緯の話になります

 一度過去完了形が用いられて、話が過去にさかのぼれば、
 その後は、もう一度過去完了形を用いる必要はありません

 
 and
 しかし

he never said anything that you could take hold of ●, so to speak,
       →
彼 決して〜ない 言った 何も(ない) あなた 〜ありうる 理解する いわば
   (=決して何も言わなかった) 「人々一般」     (注)● 名詞の欠落!
                 (注)本来なら I(私)です!

  (=彼は(私が)理解できるような言葉は何も言わなかった)

  英語は、本来なら I(私)と言うべきときに、
  weを使ったり、you を使って、
  私と同じ立場の人なら
  「あなたも誰もみな同じ対応するはずだ」というメッセージを
  伝えようとすることがあります。

  これは読者をこの話に引き込む役割もあります。

 【読解鉄則】 関係詞(=関係代名詞 or 関係副詞) 
 前の名詞(=先行詞)を 説明する節(=形容詞節)の先頭にくる語
 (注)関係代名詞が導く節内は、名詞の欠落(●)がおこる!


so
それで (等位接続詞)

at last
M(文頭副詞)
ついに

I said: 
  →
私 言った  

  Well, what about it?
  あの、〜はどう思うの それ
           漠然のit 

 【読解鉄則】 A:(コロン) 
 A(核心的な内容)⇒B(具体的な内容) 
 コロンの後ろに続く節は、@説明 Aリストの列記 B引用(=直接話法)
 ここではAリストの列記 SV: です!


C What about what? he said.
                →
 〜はどう思うの 何 彼 言った  
 (=それは何のこと?)

D You know what I mean, I said.
                   →
 あなた 分かる こと 私 言おうとする 私 言った
(=私の言おうとすること 分るでしょう) 

E I do not (know what you mean), he said.
             省略          →
 私 分からない             彼 言った

 【読解鉄則】 省略
 省略は、一度出てきた語(句)の反復を避けるために起こる!
 省略が起こっている英文は、必ず省略語(句)を補って理解すること!


F Well,
 M(誘導副詞)
 では 

do you mean it
      →
あなた 意図する それ
 or         ?
do you not (mean it)
          省略
あなた 〜ない (意図する それ)

 (=じゃ、そうする気はあるの ないの?)

 具体的には、「結婚する気はあるの ないの?」ということ
 
I said.
 →
私 言った 

G Is it a riddle? he said.
             →
   それ なぞなぞ 彼 言った  

 riddle [名] レベル:5 英検:2級以上の単語
        学校レベル:大学以上の水準
        TOEICR L&Rスコア:600点以上の単語
        大学入試:難関大対策レベル
 [C](可算名詞)
 (1) (当てものなどの)なぞ,なぞなぞ,判じ物
   用例 What gets wet when drying? (乾かす時に濡れるものなあに)
       答えは A towel.
       solve [find out, guess] a riddle なぞを解く.
 (2) 不可解なもの[人].
   用例 He's a riddle to me. 私には彼という人物はわからない.

H No, (it isn’t) I said,
      省略    →
 いいえ       私 言った  

 but
 しかし 

I've been walking out with you for two years,
私  = 付き合ってきた あなた 〜の間 2年 そして 

and                    .

I just want to know
     →
私 ただ 〜したいと思う 知る
(=ただ知りたいと思っているだけなの)

if anything's to come of it or not
 (=anything is)
      be to 不定詞【意図】
〜かどうか 何か することになる 生じる 〜から それ
                (=前文の内容)

(=それから何か生じることになるかどうか)
  つまり、2年間交際してきたことから何が生まれるかどうか)

 【読解鉄則】 be to 不定詞 5つの意味
 @予定    「〜する予定である」 ※ 公式な予定

   We are to meet here tomorrow.(私たちは明日ここで会う予定である)
 A義務・当然 「〜すべきである」 ※ 第三者の果す義務・命令
   You are to observe traffic rules.(交通規則は遵守すべきである)
 B可能    「〜できる」  ※主に否定文・受動態の不定詞
   No one was to be found in the street.(通りには人っ子ひとりいなかった)
 C運命    「〜する運命である」※ 将来実現すると予測されることを暗示する 
   He was never to see his home again.(彼は二度と故郷を見ることはなかった)
 D意図    「〜するつもりである」 ※条件節(if)内・「目的」の意味が加わる
   If you are to realize your dream,
you must work harder.
  (夢を実現するつもりなら、一生懸命働かなければならない)

 この英文は、Dの意味です

I Oh,
  M(文頭副詞)
  そうか 

he said.
  →
彼 言った 

J I don't mind one way or the other, I said;
                          →   
  私 〜ない 気にかける いずれかに 私 言った 
    (=どちらでも構わない)
 

 【読解鉄則】 A;(セミコロン) 
 ;(セミコロン)=関連性の強調
 A;(セミコロン)
B「具体的説明」
 (注) の内容は密接な関係がある!

   

but
でも 

I'm not going to waste my time till doomsday,
  = 
私 〜ない 〜するつもりです 無駄にする 時間 〜まで 最後の審判日
 (=無駄にするつもりはない)         (=永遠に)

and
そして

I just want to know,
    →
私 ただ〜 〜したいと思う 知る
(=ただ知りたいと思っているだけなの)

that's all.
それだけのこと

K Well,
 M(文頭副詞)
そうだな 

he said,
   →
彼 言った 

what do you propose ●?
          →
何    あなた 提案する 
(=あなたの案は何ですか?)
           (注)● もともと名詞があった場所!

 この proposeは「プロポーズする」ではなくて「提案する」です

 女性の強引さに負けて、男は結婚の覚悟をしたようです

L Well,
  M文頭副詞)
  では

I said,
 →
私 言った  

what about August Bank Holiday?
〜はどうですか  8月  銀行休日?

M Make it Christmas,
   →
 しよう それ クリスマス 
(=結婚のこと)

he said;
  →
彼 言った

I get a rise then.
  →
私 上がる 俸給 そのころ
 (=昇給する)

N All right,
 いいわよ

I said,
  →
私 言った 

 as long as I know (the place) where I am ■

 M(文頭副詞)        省略   関係副詞
 〜しさえすれば 私 知る       私 
  [条件]           (=自分の立場、身分)
  (=自分の身分がわかりさえすれば)

  【読解鉄則】as[so] long as SV〜【時間的広がり】
  @「〜しさえすれば」(=if only)[条件]
   用例 Any magazine will do as long as it is interesting.
      (おもしろければどんな雑誌でもいいです)
  A「〜する間、〜する限り」[期間・範囲]
   用例 I’ll never forget your kindness as long as I live.
      (生きている限りあなたの親切は決して忘れません)

   この英文は、コンテキスト(=前後関係)より @の意味です

  (参考)as far as SV〜「〜する限り」【空間的広がり】
      用例 There was nothing but the blue sky as far as the eye could reach. [範囲]
         (見渡す限り、青空しかなかった)
      As far as I know, he is an honest man. [限度]
      (私が知る限り、彼は正直な男性です)
     (=To the best of my knowledge)


 【読解鉄則】  関係副詞 先行詞の省略
 関係副詞の先行詞(the place, the date など)
 省略されることもある!
 <(the place) [where S V…■] >(=名詞節)をイメージする!
 
    省略           ■ 副詞の欠落!  
 (参考)【別解説】疑問詞whereが導く名詞節と考えてもよい!

   place [名] レベル:1 英検:3級以上の単語 
         学校レベル:中学以上の水準
         TOEICR L&Rスコア:220点以上の単語
   [C](可算名詞)立場、環境、境遇
   用例 If I were in your place, I wouldn't put up with it.
      (もし私が君の立場なら、とても我慢しない)
      (社会的な)地位、身分
   用例 know one's place (身のほどを知る)


   (参考)関係代名詞whatの慣用句
       what I am     「私の現在の姿」「私の本来の姿」
       what I should be 「私のあるべき姿」「私の理想像」
 
I don't mind waiting,
     →
私 〜ない 気にする 待つこと
  (=気にしない)

 but               .
 しかし

I like to know where I am
  →
私 〜したいと思う 知る どこ 私 
        (=自分の立場、身分)

以上で、英文読解【応用編】[11回シリーズ] 《2》【解説】を終わります (^.^)

【追伸で〜す】

英文読解【応用編】[11回シリーズ] 《3》鉛筆.gif
次回、6月21日(火曜日)紹介予定です

posted by ついてるレオ at 10:00 | TrackBack(0) | 英文読解【応用編】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月14日

英文読解【応用編】[11回シリーズ] 《2》

英文読解【応用編】[11回シリーズ] 《2》

今回は、風俗喜劇を扱います

風俗喜劇 (comedy of manners)は、
広義には風俗を描いた喜劇一般のことですが、
狭義には、とくにイギリスの社交界の男女関係を
知的に突き放して描く、洗練されていて機知に富む喜劇です

【方法】

@ 英文を数回読んで、英文全体の論旨や雰囲気をつかんで
  いくつかの質問に答えましょう!

  なお、この英文を1度読んで内容が理解できる人は
  めっちゃ読解力があると思います(笑い)

A 英文が隅々まで、文法的にも内容的にも
  理解できているかを10段階で自己診断しましょう!

  〈例〉完璧に読めたら【自己診断】10/10

     半分ぐらいなら【自己診断】 5/10

B 【解説】を参考に、

 「なぜ、英文が正しく読めなくなったのか?」

 その理由をつかみましょう!


[状況]

20世紀の初めのイギリス上流家庭の女主人が、
婚約している小間使いに
プロポーズされたときの様子を語らせている場面

(参考)小間使い(こまづかい)
    主人の身の回りの雑用をする人


@ Well, ma'am, I don't know as he exactly proposed at all.

A You see, it was like this.

B I'd been walking out with him for something like two years, and he never said anything that you could take hold of, so to speak, so at last I said to him: Well, what about it?

C What about what? he said.

D You know what I mean, I said.

E I do not, he said.

F Well, do you mean it or do you not? I said.

G Is it a riddle? he said.

H No, I said, but I've been walking out with you for two years, and I just want to know if anything's to come of it or not.

I Oh, he said.

J I don't mind one way or the other, I said; but I'm not going to waste my time till doomsday, and I just want to know, that's all.

K Well, he said, what do you propose?

L Well, I said, what about August Bank Holiday?

M Make it Christmas, he said; I get a rise then.

N All right, I said, as long as I know where I am I don't mind waiting, but I like to know where I am.


[出典 風俗喜劇 The Unattainable (Collected Plays of W.S. Maughan vol. 2 Heinemann 1931) Somerset Maugham(1874-1965)より]


【質問】

(1) @のasは俗語的な用法です。従属接続詞の何と同じ用法でしょう?(英語で)

  答え:

  at allはどこを修飾しているでしょう? (英語で)

  答え:

(2) B and he never said anything that you could take hold ofの
  youは、本来なら何の代名詞の代わりに使われているのでしょうか? (英語で)

  答え:

(3) F mean の意味は何でしょう? (日本語で)

  答え:

  この英文は、具体的には何のことを言っているのでしょう? (日本語で)

  答え:

(4) H if anything's to come of it のitは何を指しているのでしょうか?(日本語で)

  答え:

(5) K propose の意味は何でしょう? (日本語で)

  答え:

(6) N where I am の意味は何でしょう? (日本語で)

  答え:


【自己診断】 /10

さて、どうでしたか?

次回【解説】を紹介します (^.^)


【追伸で〜す】

英文読解【応用編】[11回シリーズ] 《2》【解説】鉛筆.gif
6月18日(土曜日)の予定です



posted by ついてるレオ at 11:02 | TrackBack(0) | 英文読解【応用編】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月11日

英文読解【応用編】[11回シリーズ] 《1》【解説】

英文読解【応用編】[11回シリーズ] 《1》【解説】

今回の文章は、
長年イタリアのフィレンツェに住んでいる
イギリスの裕福な女性の随筆文でした

【英文の種類】エッセイ(随筆)

書き手の随想(思ったこと・感じたこと・考えたこと)を思うがままに
書き記した文章

【小説・物語文(ストーリー)読解の鉄則】
 
 1 人物チェック! who(だれ) 
 2 場面チェック! when(いつ), where(どこ) 
 3 展開チェック! what(何)  
             Why?(なぜ) How?(どのように)  
 
 小説・物語(ストーリー)は人物を中心に場面&話が展開する!

    特に主人公の心理表現に注意する!
 
  [ポイント] 3つの順序を考慮して読むこと!


  1 Time     (時間) 始めから終りまでの出来事を列挙する
  2 Place    (場所) 目的地への説明など

  3 Sequence (論理) 順序や配列を示す一連の表現 

 (注) これは、論説文、評論文、エッセイ(随筆)でも大切な考え方です!

【質問】の解答

(1) この英文のTheme(=テーマ)は何でしょう?(日本語で)

  答え:筆者が急行列車に乗り遅れたこと

(2)【1】Aの英文は、文法的に何と言われる文でしょう? (日本語で)

  答え:倒置文

  また、どうして語順が入れ替わっているのでしょう? (日本語で)

  答え:情報構造(Information Structure)による配置転換で、
     筆者が急行列車に乗り遅れたことへの腹立たしい気持ちを
     表わしているから。

  【読解鉄則】 Information Structure(情報構造)
   英文は原則として旧情報(Given) から新情報(New)へと展開する!


  旧情報(Given)は文章の中ですでに述べられた事柄で、
  情報価値が低いと判断されたもの


  新情報(New)は文章の中で初めて述べられる事柄で、
  情報価値が高いと判断されたもの


  ただし、旧情報(Given)新情報(New)を決めるのは
  すでに述べられた情報かどうかではなく、
  筆者がどちらを価値の高い情報なのか判断したかどうかで
  情報の新旧は筆者の判断で決まります。

 【読解鉄則】 end focus
  新情報(New)は文の後ろに置かれる!


  本来の語順は It is certain that・・・ なのですが、
          旧情報(Given)  新情報(New) 
  
  この英文は Certain it is that・・・
          旧情報(Given)  新情報(New)
     
  筆者は、意図的に Certain(=旧情報(Given))を文の先頭に置いて、
  that…(=新情報(New))を後ろに置いて、that以下の情報価値が
  高いと判断しています。

 【読解鉄則】CVSの倒置文 
  補語C旧情報(Given)、主語Sは新情報(New)
  旧情報(Given)を前提として新情報(New)を導入する働きがある!
  (注)ただし、この英文はCSVの語順になっています!


 【読解鉄則】 配置転換ルール 【倒置文】
  話者の「感情・意図」がある


  この英文はコンテキスト(=前後関係)より
  筆者が急行列車に乗り遅れたという
  筆者の腹立たしい気分を表しています

(3) 筆者は、今、どこにいるのでしょう?(日本語で)

  答え:駅

(4) 今の時間は何時何分でしょう? (日本語で)

  答え:5時30分

(5) 【2】@の so much moral ballastは、何の比喩表現でしょう?
  (日本語で)

  答え:腹を立てたりすること、心に感じたすべての感情

(6) この英文の結論はどこでしょう? (日本語で)

  (注)解答方法 【 】段落 〇文

  答え:【2】C文

大まかな全体の論旨は

【1】
急行に乗り遅れたことについて
その理由がいくつか述べられています

【2】
急行に乗り遅れた本当の理由について
結論を述べています

【解説】

(注)日本語訳は英語の語順に従って
   カタマリで原則的に左から右に訳して、
   同形反復は並列して解説しています
 

【1】
@ The clocks up at the villa must have been all wrong,
                        = 
   時計 上方の 別荘 だったに違いない まったく 間違い
  『限定』+名詞+『説明』
  (=丘の上の別荘の時計)
  ×「別荘の2階の時計」ダメ

【読解鉄則】 英語の修飾の原則!
 前は『限定』+名詞+後ろは『説明』
 左から右に「イメージ」して読もう!

 筆者が『限定』一グループ(この英文では複数形一グループ)の時計(名詞)
 と述べて『説明』最初に平地から見てup「上の方向」だと伝えて
 次に具体的にat the villa「別荘の」
と述べています

 (参考)

【ブログ】ついてるレオさん"ハッピー日記"鉛筆.gif

「英語を学ぶ大原則!」 第1法則 ( 1 17 2012) 
 英語は主語に近いものから表わす
「英語を学ぶ大原則!」 第2法則 ( 1 18 2012) 
 英語は、物理的・論理的移動順序で表わす
「英語を学ぶ大原則!」 第3法則 ( 1 19 2012)
 英語はイメージでとらえる

 【読解鉄則】 S must have Vp.p.(=動詞の過去分詞)
  S must have Vp.p.「Sは〜した(だった)に違いない」
  「現在」 から「過去」を推量
  (参考)助動詞は、筆者(=話者)の主観的感情をあらわす!
  (注) Vp.p.(過去分詞)には、過去の意味はありません!

  (参考) Vp.p.=『受身・完了分詞』

  or else
  あるいは

 my watch did not go with them,
 私の腕時計 〜なかった 合う 〜に それら 
   (=合っていなかった)   (=the clocks up at the villa)

 【読解鉄則】 代名詞・指示語
 代名詞(it, they, them, one(s),など)は「何を受ける?」
 指示語(this, these, that, those, both, such など)は「何を指す?」
 必ず文中の英語でチェックする!


  or else
  あるいは

 I had not looked often enough at it
 私 〜していなかった 目を向ける しばしば 十分に 〜に それ
  (=見ていなかった)    (=my watch)
    

 【読解鉄則】 S had Vp.p.(=動詞の過去分詞)  
 【過去完了形】のイメージ
 「(過去の前の動作、状態が) 過去に迫る!」
 「Sは〜してしまった・〜していた」 
 (注) Vp.p.(過去分詞)には、「過去」の意味はない!
 
  (参考) Vp.p.=『受身・完了分詞』
   
 while rambling about the town on my way to the station.
 〜の間 ぶらぶらして 〜のあたり 町  道 〜へ  駅
  (=while I had been rambling about the town の簡略表現)

  

 【読解鉄則】 対比表現 『差異』を示す! 
 A(=S1V1) , while B(=S2V2) 
 「A(=S1V1) 一方、 B(=S2V2)
 A: I had not looked often enough at it
 B: rambling about the town
 ※ whileは従属接続詞ですが、等位接続詞のようにとらえる!
 (参考)A(=S1V1)と B(=S2V2)
    『 同種類(=カテゴリー)&文法上「同形反復」 』!


 【読解鉄則】 接続詞+Ving…  
 一部の接続詞は後ろにVing…がくることもある!
  (after, before, when, while, since)
   用例 I took a shower before eating dinner.
                (=before I ate dinner)
     「私はシャワーを浴びて、 その後 夕食を食べた
  
 (参考)接続詞+SV…の簡略表現です!

A Certain it is that    【倒置文】 
       仮S = 真S  
  確かに  
    C  S V
 旧情報(Given)  新情報(New)

 【読解鉄則】 Information Structure(情報構造)
 英文は原則として旧情報(Given) から新情報(New)へと展開する!


 【読解鉄則】 end focus
 新情報(New)は文の後ろに置かれる!


  (参考)It is certain that・・・の倒置文

 【読解鉄則】 配置転換ルール 【倒置文】
 話者の「感情・意図」がある
 この英文は「筆者の腹立たしい気分」を表しています


 【読解鉄則】 end weight
 長い主語[S]は、it [仮S=仮主語(形式主語)] に置き換えて、
 文の後に置く[真S=真の主語]!


 when I got there, at the gallop of my cab-horse,
 〜とき 私 つく そこ   ギャロップ  私の馬車
    (=to the station)   (=私の馬車で全速力で)

 the express was gone.
   急行  = 行ってしまった

  =Theme(=テーマ)

B There is something hatefully inexorable about expresses:
 M(誘導副詞) ある 何か 憎たらしいほど 無情な 〜について 急行

       A『抽象』

 【読解鉄則】There is S 構文 新情報(New)の導入 2つのパターン
 @ 筆者の主張をサポートする実例の提示、一般的な事実の確認
  (参考)for example「たとえば」、in fact 「実際」、
     indeed「実際」などの語を補って読んでいきましょう

 A 筆者の主張を提示 (注)however や butを伴う

 この英文は、@のパターンです!


 inexorable [形] レベル:12 英検:1級以上の単語
  (1) 〈人・言動が〉冷酷[無情]な,容赦のない.
  用例 one's inexorable resolution 断固とした決意.
  (2) 曲げられない,動かしえない.
  用例 the inexorable passage of the seasons
     人の力では動かしがたい季節の移り変わり

 【読解鉄則】 A:(コロン) 
 A(核心的な内容)⇒B(具体的な内容) 
 コロンの後ろに続く節は、@説明 Aリストの列記 B引用(=直接話法)
 ここでは@説明の用法です!
 A『抽象』からB『具体』の流れをつかもう!


 B『具体』 

 it is useless to run after them,
 仮S       真S  
  役に立たない 追いかける 〜の後 それら 
                (=expresses)

 【読解鉄則】 end weight
 長い主語[S]は、it [仮S=仮主語(形式主語)] に置き換えて、
 文の後に置く[真S=真の主語]!


 even in Italy.
 〜でさえ イタリヤ  

 【読解鉄則】 焦点化副詞 even   
 「 〜でさえ(も), 〜すら」
  事実・極端な事例などを強調する

  (注)名詞(代名詞)を修飾する用法もある!
  用例 Even a child can do it. 
     (子どもでさえもそれをすることができる)

C The next train took an hour and a quarter
             →
   次の列車   かかった   1時間15分  
                
 instead of forty minutes
 〜の代わりに   40分
           

 【読解鉄則】 A instead of
 「A 代わりに 
  日本語訳:「の代わりに
 A: an hour and a quarter
 B: forty minutes
 (参考)対比表現は『差異』を押さえる! 
 (参考)Aとは『 同種類(=カテゴリー)&文法上「同形反復」 』!


 to cover the nineteen miles between Pistoia and Florence.
 〜ために 行く 19マイル 〜の間 ピストリア フィレンツェ

 (参考) 1 mile = 1760 yards ≒ 1.6km
     19 miles ≒ 30.4km

  この英文は、次の列車の話ですが、筆者はこの列車に乗ったのではありません。
  次の列車の情報を伝えている文です。

D Moreover,
 M(文頭副詞)
  そのうえ

 【読解鉄則】 追加表現 Moreover, 「そのうえ」
 「何(誰)にたいして〜そのうえ」なのか? を押さえる!


 that next train was not till eight in the evening,
  その次の列車   = 〜ない 〜まで 8時  夜
  and                        .
 it was now half-past five
 非人称のit  = 今 30分すぎ 5時
 【時間】

【2】
@   felt all (that)
    →   省略 
    V1
   感じた すべて 

   it was proper to feel ● on the occasion,
   仮S       真S  
      適切な  感じる    その場合
              (注)● 名詞の欠落!

 【読解鉄則】 関係詞(=関係代名詞 or 関係副詞) 
 前の名詞(=先行詞)を 説明する節(=形容詞節)の先頭にくる語
 (注)関係代名詞が導く節内は、名詞の欠落(●)がおこる!


 【読解鉄則】関係代名詞that の特別用法  6つのパターン!
 @ 先行詞
 最上級が限定されている場合 
   This is the most interesting book that I’ve ever read .
   (これは私がこれまで読んだなかで最も興味深い本です)
 A 先行詞 the firstなどが限定されている場合
   He was the first man that I interviewed for the job.
   (彼は私がその仕事で面接した最初の男性です)
 B 先行詞 all, every, any, no, the only, the very
   everything, something, anything, nothing

   This is all that he has to do .
   (彼はこのことだけをすればよい)
 C 先行詞 「人+モノ・コト」
   Look at the boy and his dog that are coming this way.
   (こちらにやって来ている少年と犬を見てごらんなさい)
 D 先行詞 疑問詞
   Who that knows him will believe it? 〈文〉※必ず that!
   (彼を知っている人なら誰がそれを信じるだろうか)
 E 先行詞 文のC(補語)
   He isn’t a hero that he used to be .   ※必ず that!
   (彼はかつてのような英雄ではない)
                     (注) ● 名詞の欠落! 
 (参考)@〜Bの例でも先行詞が「人」の場合は、普通 who を用いる!
   この英文は、Bの場合です!
 

 【読解鉄則】 関係代名詞の目的格の省略
  関係代名詞の目的格(which, whom, that)はよく省略される!
 名詞 + [(that) S(名詞) V ●…](=形容詞節)イメージする!
       省略         (注) ● 名詞の欠落!


 【読解鉄則】 end weight
  長い主語[S]は、it [仮S=仮主語(形式主語)] に置き換えて、
  文の後に置く[真S=真の主語]!


 I  and                .

   said,
    →
   V2
 私 言った

  if (I did) anything,
    挿入 省略
  もし(私 した)何か

  rather more (than all it was proper…)
           省略
  かなり より以上のこと
              

 【読解鉄則】 A and B  同形反復(=共通構文)
 等位接続詞(and, but, orなど)を見つけたら、
 何と何(語と語、語句と語句、節と節、文と文)をつないでいるか?
 (注)比較対象は『 同種類(=カテゴリー)&文法上「同形反復」 』!
 (参考)同形反復は並列して解説しています


 【読解鉄則】 , 挿入 ,  (コンマによる挿入)
 用法は、接続副詞挿入句・節を入れる!


 【読解鉄則】比較構文(相対比較) 読解のポイント
 1 比較対象 比較対象は?    Aと
 2 比較基準 何を基準にして?
 3 比較結果 その結果は?    A> or A<
   比較構文は『共通点・類似点』を押さえる!(原則)
   (参考) 対比表現は『差異』を押さえる!


 【読解鉄則】 比較構文(相対比較)
 比較対象(Aと)つまり 
 誰(何)とB(何)を比べているのかを押さえる!
 A: rather more
 B: all it was proper to feel on the occasion
 (参考) 比較対象 Aとは『 同種類(=カテゴリー)&文法上「同形反復」 』!

 (注)than Bが省略されている場合は、コンテキスト(=前後関係)より推測する

  この英文ではthan以下が省略されているので、
  than 〜の部分をコンテキスト(=前後関係)より推測する


  これをやらないと英文が正しく理解できないことがよくあります

  前後をしっかり読むと、心の中で感じたことより多くの言葉を口にした
  ということです。

  つまり、筆者は、こういう場合に人が感じる怒りのすべてを感じて、
  その上、私としたことが、感じている以上の言葉を言ってしまった。

  裕福でインテリの女性ともあろう人が
  例えば「こん畜生!この急行めが!」など(笑い)

A Missing a train is a terrible business,
  乗り遅れること 列車  = ひどい事態  

 even if you miss nothing else in consequence;
 たとえ〜でも あなた 乗り遅れる 何も〜ない 他に 結果として
 「人々一般」
  (=たとえ結果として乗り遅れた以外に何もなくても)

 【読解鉄則】「人々一般」をあらわす人称代名詞
  (1) you 最も広く「人々一般」をあらわす語
    you(あなた)という意味から「話し手自身を含まない」と
    考えてしまいそうですが、「話し手を含めた人々一般」
    あらわしています

    You need a visa to travel to foreign countries.
      (外国へ旅行するにはビザが必要です)

  (2) we 自分たちで組織を作る感覚
    文章などで書き手がI(私)と言うべきところを
     weと表現することがありますが「仲間意識」に訴えています

    We shall fight terrorism all the way.
      (私たちは断固としてテロと戦ってゆく)

  (3) they 話し手自身を含まない「人々一般」
    「〜と言われている・みんな(世間)は〜と言っている」のように
    人々一般の内容をあらわしている表現です

    They say life begins at 40.
       (人生は40歳から始まると言われます)

  (4) people 少しさめた言い方
    話し手自身を含まないのはもちろんですが、
    人々を「自分から離れたもの」としてとらえた観察目線です

    People always want what they cannot have.
      (人はいつも手に入れられないものを欲しがる)

  (5) one 日常会話ではかなりまれ
    ほかのyou, weと比べるとはるかに高尚な言い方。
    もちろんこのoneは数字の「1」とつながりが感じられます。
    any one person(どんな人も)ということ。

    One should never take love for granted.
      (人は決して愛を当たり前のものとして考えるべきではない)


 【読解鉄則】 英文の展開の原則!
 抽象[核心]的内容  ⇒ 具体的説明 
 (メインアイデア)   (サポート)


 筆者は、急行列車に乗り遅れることは、
 a terrible business(ひどい事態)だと述べています。
 その後、ひどい事態について、具体的な理由が述べられることが予想されます

  and

 the inner disarray,
   内面の混乱
   (=心の乱れ)
      

    blow    thoughts
    打撃     思考  
 the   and  to   and   ,
    wrench   feelings
    苦痛  〜へ 感情
    A´ 

  【読解鉄則】 同格 
  名詞(相当語句)に、他の名詞(相当語句)を並べて説明するとき、
  この2つの名詞は互いに同格(Apposition)の関係であるといいます!
  名詞, 名詞  (注) 間に,(コンマ)を入れることが多い!
  (注)後ろは『説明』!


 is most often far worse
  = ほとんどの場合 とても より悪い

 than any mere upsetting of arrangements.
 〜より いかなる 単なる 狂わすこと 取り決め
       (=ただ予定が狂うこと)
      

 【読解鉄則】 比較構文(相対比較)
 比較対象(Aと)つまり 
 誰(何)とB(何)を比べているのかを押さえる!
 A: the inner disarray,(すなわち)
   the blow and wrench to thoughts and feelings
 B:any mere upsetting of arrangements
 (参考) 比較対象 Aとは『 同種類(=カテゴリー)&
     文法上「同形反復」 』!


 disarray [名] レベル:13 英検:1級以上の単語
 [U](不可算名詞)混乱,乱雑; だらしのない[乱れた]服装.
 用例 in disarray 混乱して; だらしのない身なりで.

 wrench [名] レベル:7 英検:準1級以上の単語
        学校レベル:大学以上の水準
        TOEICR L&Rスコア:730点以上の単語
        大学入試:最難関大対策レベル
 [C](可算名詞)[単数形で] (別離の)悲痛,苦痛.
 用例 It will be a wrench to leave home.
    故郷を離れるのは悲しいだろう.

 upset [動] レベル:3 英検:準2級以上の単語
       学校レベル:高校2年以上の水準
       TOEICR L&Rスコア:470点以上の単語
       大学入試:センター試験対策レベル
 【他動詞】〈計画などを〉くつがえす,だめにする,狂わす.
 用例 The storm upset their plans for a hike.
    あらしのために彼らのハイキングの計画がだめになった.

B  A chasm suddenly gapes between present and future,
   断絶 突然に 大きく裂ける 〜の間 現在 と 未来 
   (=現在と未来の間に突然大きな断絶が生じる)  

   and

  the river of life flows backwards,
    川   人生 流れる  後ろに

  (even) if (it flows backwards) but for a second.
                    (=only)
  たとえ〜でも (それ 流れる 後ろに) ほんの 〜の間 1秒
     (=the river of life)
 (=たとえほんの1秒だとしても、人生の流れが逆流する)

 【読解鉄則】 省略
 省略は、一度出てきた語(句)の反復を避けるために起こる!
 省略が起こっている英文は、必ず省略語(句)を補って理解すること!


 省略語(句)をコンテキスト(=前後関係)より補って考えないと
 正しく英文が理解できないことがよくあります


 chasm [名] レベル:11 英検:1級以上の単語
 [C](可算名詞)
 1 (地面・岩などの)幅の広く深い割れ目[裂け目]; 深い淵.
  (壁・石垣の)割れ目,大ひび,すき(間).
 2 (感情・意見の)隔たり,食い違い,相違 〔between〕.
  用例 the chasm between capital and labor 労使間のみぞ.

 gape [動] レベル:10 英検:1級以上の単語
      学校レベル:大学院以上の水準
 【自動詞】〈傷口・割れ目・貝などが〉ぱくりと開く[開いている];
     〈地面などが〉大きく裂ける.
  用例 a blouse gaping at the neck 襟元が大きくあいているブラウス.

 if [接] [譲歩を表わして] たとえ…としても
 用例 If I am wrong, you are not absolutely right.
    たとえ私が間違えているとしても君だって絶対に正しいとも言えない.
    He's a good, if mischievous, boy. 彼はいたずらだがいい子だ.
    His manner, if patronizing, was not unkind.
    彼の態度は恩きせ顔ではあったが不親切ではなかった.

 筆者は急行に乗り遅れることはひどい事態と述べているが、具体的には
 @ 心の乱れ A 過去と未来の断絶 B 時の流れの逆流だと
 すごく大げさに捉えています

 さて、本当の理由は何なのでしょう?

C        fit
        適して
 It is most   and   to lose one's temper;
        natural
 仮S (=very)     真S  
   とても  自然な    立腹する

 【読解鉄則】 end weight
 長い主語[S]は、it [仮S=仮主語(形式主語)] に置き換えて、
 文の後に置く[真S=真の主語]!


 【読解鉄則】 比較構文 絶対比較
 比較対象がない構文;単に非常に程度が高いことをのべる!

 (注) 主観的判断や感情的色彩を含む形容詞・副詞・名詞の前にくる!
 用例 They have received a higher education.
     (彼らは高等教育を受けている)
     She was a most kind woman to me.
           (=very)
     (彼女は私にとても親切な女性です)
     (注)1人(1つ)に決まらないので the はつけない!

  (参考) 相対比較 比較対象がある用法
       @ 他者比較…他の人・モノと比べる
       A 自者比較…1人(1つのモノ)の状態を述べる


  but                    .  【譲歩構文】

  the throwing out of so much moral ballast
   投げること 〜から そんなに多くの 精神的な砂袋
   (=そんなに多くの精神的な砂袋を追い出すこと)
  S[原因]

 ballast [名] レベル:12 英検:1級以上の単語
 [U](不可算名詞)
 【航海, 海語】 バラス(ト), 底荷,脚荷(あしに).
  (気球の)砂袋.
  (鉄道・道路の)バラス,砂利

 does not help one to overtake that train
       →  S´ → P´ 
  〜ない  役立つ 人   追いつく  その列車
        「人々一般」
          OC[結果]

 (=たとえそんなに多くの精神的な砂袋を追い出しても、
   その列車に追いつくことはない)

 筆者の結論が述べられています。

 ちなみに、

 so much moral ballast (=そんなに多くの精神的な砂袋)は比喩表現

 何の比喩表現なのかは、コンテキスト(=前後関係)より
 前文の lose one’s temper「立腹する、自制心をなくす」の言い換え

 そして、英文をさかのぼれば、【2】@の心に感じたすべての感情
 腹を立てたり、心に感じたすべての感情の比喩表現です

 この比喩表現を見抜くことは英文を正しく理解することに
 つながります。


 筆者は、結論として、いくら腹を立てて、心に感じたすべての感情を
 言葉に出しても乗り遅れた急行列車には追いつけないと述べているのですね。

 【読解鉄則】S help O (to)
 第5文型 SVO (to) は、O(目的語)と (to) に必ず 
 S´→ P´(意味上の主語→述語)の関係がある!
 S help O<人> (to)  「SはOが〜することを手伝う」
     → S´→ P´
 
 【用法】 
 《主に米》Oの後にV(=原形不定詞)を用いる
 《主に英》Oの後にto Vを用いる
 《口語》 では 《米》《英》ともにV(=原形不定詞)を用いるのが一般的!


 【読解鉄則】 無生物主語構文!
 S help O (to)  「SはOが〜することに役立つ」
     →  S´→ P´
 S[原因] ⇒ OC[結果] 論理=【因果関係】! 
 (参考)主語を副詞的に訳して「Sのおかげで、S´は〜できる」


 【読解鉄則】 無生物主語構文 → 6つのパターン!
 無生物を主語(=S)として、主に因果(…だから〜)の意味を表す!
 @ SVOC型

    This medicine will make you feel better.
              → S´→ P´(意味上の主語→述語)
                 [〜する方向]

    S[原因(条件) ⇒ OC[結果(推測)
   (この薬を飲めば、より良い気分になるよ)
 A SVO(M)
    A few minutes’ walk brought us to the park.
                  →
   (数分歩いた後、私たちは公園に着いた)
   S[原因] ⇒ O[結果]
 B SVO1O2型
   Playing video games for hours gave me a pain in the back.
                       →
   (テレビゲームを何時間もしたので、私は背中に痛みを感じた)
   S[原因] ⇒ O1O2[結果]
 C SVO to V型
   His knowledge of English enabled us to carry out his plan.
                     →  S´→ P´(意味上の主語→述語)
   (彼は英語を知っているので、私たちは彼の計画を実行することができた)
   S[原因]         ⇒ OC[結果]
 D SVO from Ving型
   Illness prevented her from going to school.
          →   S´←・→P´(意味上の主語→述語)
   S[原因] ⇒ OC[結果]   [〜しない方向]
   (病気のせいで、彼女は学校に行けなかった)
 E SV(=感情動詞)O型
   The news will surprise us.
             →
   S[原因(条件) ⇒ O [結果(推測)
  (その知らせを聞くと、私たちは驚くだろう)

  (参考)無生物主語構文の訳すコツ!S(主語)を、副詞的に訳して
    「Sのせいで、Oは 〜する」と訳すと日本語らしくなる


  (参考)この英文はCのパターン!

以上で、英文読解【応用編】[11回シリーズ] 《1》【解説】を終わります  (^.^)

【追伸で〜す】

英文読解【応用編】[11回シリーズ] 《2》鉛筆.gif
次回、6月14日(火曜日)紹介予定です





posted by ついてるレオ at 11:32 | TrackBack(0) | 英文読解【応用編】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月07日

英文読解【応用編】[11回シリーズ] 《1》

英文読解【応用編】[11回シリーズ] 《1》

はじめに

以前、この【ブログ】ついてるレオさん"Happy English School"学校.gif


2つのシリーズ

英文読解入門    [9回シリーズ]
英語長文読解入門 [10回シリーズ]

を紹介しました

これらのシリーズは【入門編】(=初級編)
どちらもとても易しい英文を扱いました

(参考)その詳しい日記はこちら

【ブログ】ついてるレオさん"Happy English School"学校.gif


 英文読解入門 [9回シリーズ]

 1 序論&基本5文型+α!  ( 9 27 2021)
 2 英語構文ルールの理解!(品詞からの考察) ( 9 28 2021)
 3 句(phrase):to V(不定詞)! ( 9 29 2021)
 4 句(phrase):Ving(動名詞・現在分詞)! ( 9 30 2021)
 5 句(phrase):Vp.p.(過去分詞)!      ( 10 1 2021)
 6 句(phrase):前置詞句(前置詞+名詞)! ( 10 2 2021)
 7 句(phrase)の判別法! ( 10 3 2021)
 8 節(clause)!       ( 10 4 2021)
 9 節(clause)の判別法! ( 10 5 2021)

 英語長文読解入門 [10回シリーズ]

 1 フレーズリーディング!  ( 10 14 2021)
 2 パラグラフリーディング!【単一のパラグラフ】 ( 10 15 2021)
 3 パラグラフリーディング!【演習@】 ( 10 16 2021)
 4 パラグラフリーディング!【演習A】 ( 10 17 2021)
 5 パラグラフリーディング!【演習B】 ( 10 18 2021)
 6 パラグラフリーディング!【複数のパラグラフ&演習】 ( 10 19 2021)
 7 パラグラフリーディング!【演習解答・解説】 ( 10 20 2021)
 8 スキミング(Skimming)!  ( 10 21 2021)
 9 スキャニング(Scanning)! ( 10 22 2021)
 10 実践編!           ( 10 23 2021)


さて、今回は、英文読解【応用編】[11回シリーズ]

教科書の英文、大学入試センター試験や大学入学共通テストはもちろん
国公立大学入試学校.gifレベルの英文読解は終えて
次のワンランク上の英語(Advanced English)を目指す読解講座冠.png

目的は、英文を正しく読めて理解できるようになること!

英文は、すべて洋書からで、
ジャンルは文学作品、週刊誌の記事、
エッセイ(随筆)、評論、書評などから紹介します

この講座をやりとげると
あなたの英文読解力は飛躍的に向上していることでしょう228.gif

興味のある方は
ぜひチャレンジしましょう


英文読解【応用編】[11回シリーズ] 《1》

【方法】

@ 英文を数回読んで、英文全体の論旨や雰囲気をつかんで
  いくつかの質問に答えましょう!

  なお、この英文を1度読んで内容が理解できる人は
  めっちゃ読解力があると思います(笑い)

A 英文が隅々まで、文法的にも内容的にも
  理解できているかを10段階で自己診断しましょう!

  〈例〉完璧に読めたなら【自己診断】10/10

     半分くらいなら 【自己診断】 5/10

B 【解説】を参考に、

 「なぜ、英文が正しく読めなくなったのか?」

 その理由をつかみましょう!


【 】は段落、○は英文の数です

[状況]

著者は長年イタリアのフィレンツェに住んでいるイギリスの裕福な女性で、
その彼女の随筆文です。

【1】
@ The clocks up at the villa must have been all wrong, or else my watch did not go with them, or else I had not looked often enough at it while rambling about the town on my way to the station.

A Certain it is that when I got there, at the gallop of my cab-horse, the express was gone.

B There is something hatefully inexorable about expresses: it is useless to run after them, even in Italy.

C The next train took an hour and a quarter instead of forty minutes to cover the nineteen miles between Pistoia and Florence.

D Moreover, that next train was not till eight in the evening, and it was now half-past five.


【2】
@ I felt all it was proper to feel on the occasion, and said, if anything, rather more.

A Missing a train is a terrible business, even if you miss nothing else in consequence; and the inner disarray, the blow and wrench to thoughts and feelings, is most often far worse than any mere upsetting of arrangements.

B A chasm suddenly gapes between present and future, and the river of life flows backwards, if but for a second.

C It is most fit and natural to lose one's temper; but the throwing out of so much moral ballast does not help one to overtake that train.


[出典‘Losing One's Train’Vernon Lee (1856-1935) エッセイ集 Hortus Vitae (1907) より]

イタリア急行列車.jpg

【質問】

(1) この英文のTheme(=テーマ)は何でしょう?(日本語で)

  答え:

(2) 【1】Aの英文は、文法的に何と言われる文でしょう? (日本語で)

  答え:

  また、どうして語順が入れ替わっているのでしょう? (日本語で)

  答え:      

(3) 筆者は、今、どこにいるのでしょう?(日本語で)

  答え:

(4) 今の時間は何時何分でしょう? (日本語で)

  答え:

(5) 【2】@の so much moral ballastは、何の比喩表現でしょう?(日本語で)


(6) この英文の結論(=筆者の主張)はどこでしょう? (日本語で)

  (注)解答方法 【 】段落 〇文

  答え:


【自己診断】 /10

さて、どうでしたか?

次回【解説】を紹介します (^.^)

【追伸で〜す】

英文読解【応用編】[11回シリーズ] 《1》【解説】は
6月11日(土曜日)の予定です



posted by ついてるレオ at 13:34 | TrackBack(0) | 英文読解【応用編】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする