基礎知識編 パート3は 『機能語』 後編
英語の世界では"準動詞"と言われている
to 不定詞
Ving(動名詞、現在分詞)
Vp.p.(過去分詞)
「難しそう」と
思う人もいるかもしれませんが
本質的な考えを学べば簡単です

5 to 不定詞 ※to V で表記します。
to V =「これから起こること」
「これから起こる可能性のあること」
<例1> She wants to be an actress.
「彼女→したいと思っている→(これから起こることは: to)→
です → 一人の女優 」
彼女が願っていることが最初で
これから起こること(可能性があること)が女優なのですね。
この to V は「名詞用法」と言われます。
<例2> He has many friends to help him.
「彼→持っています→たくさんの友人→
(これから起こることは: to)→ 助ける → 彼 」
この to V は 前の名詞(friends)を修飾(説明)する
「形容詞用法」と言われます。
<例3> He went to the library to read books.
「彼→行った→(to)→ その図書館 →
(これから起こることは: to)→ 読む → 本

この to V は 述語動詞 wentを修飾(説明)する
「副詞用法」と言われます。
でも、ネイティブスピーカーは
「名詞用法」「形容詞用法」「副詞用法」なんて考えていません
日本の学校文法ではどのような用法だろうと
to V =「これから起こること」「これから起こる可能性のあること」
このことしか考えていないのですね

6 Ving
Ving = 「すでにしていること」
<例4> She is cooking dinner now.
「彼女→いる→(すでにしていることは: Ving)→料理する→
夕食→今 」
「彼女は存在しているのですが、
すでに料理を始めている 夕食 今」
だから、今も目の前で料理をしているのですね。
くれぐれも、進行形は「一時的な動作」を表わします

<例5> Look at the dog walking with that girl.
「(あなた)目を向けなさい →(at)→ その犬 →
(すでにしていることは: Ving)→ 歩いている→ (with)→ あの女の子 」
学校文法では この walking with that girl は
現在分詞の形容詞用法って言って
「後ろから前の名詞を修飾(=説明)する」なんて説明されますよね。
でも、くれぐれも英語の理解は、語順通り
名詞の後に準動詞がきたら
「名詞の説明が始まる」ということです
<例7> Walking along the street, I met one of my friends.
「(すでにしていることは: Ving)歩く→(along)→ その通り
私 → 会った → ひとり →(of)→ 私の友人 」
学校文法で 文頭の Walking along the streetは
分詞構文(分詞の副詞用法)と呼ばれます。
大切なことは 前の文と後ろの文の相関関係ですね。
<例8> I remember seeing her before.
「私 → 覚えている →(すでにしていることは: Ving)会う → 彼女 → 以前 」
学校文法では、この seeing her before は
動名詞でrememberの目的語であるとか説明されます。
でも「英語を学ぶ大原則!」では
動名詞だろうが現在分詞だろうがひとつ
Ving = 「すでにしていること」なのです

7 過去分詞 ※Vp.p.と表記します。
Vp.p. =「すでにされたこと」
(注)「完了」と「受身」の意味です
<例9> English is spoken in America.
「英語 → です→(すでにされたことは: Vp.p.)話す →(in)アメリカ 」
「英語は存在しているのですが、
すでに話されている アメリカで」
学校文法では、
この英文は受動態(受け身形)の文で
動詞の形は「be+過去分詞[Vp.p.]」と説明されます。
ここで、能動態と受動態の文の違い)
Everyone likes her.
「みんな → 好き → 彼女」

この英文は能動態の文で
「S(主語)→V→O(目的語)」(Sから力が出ている)
一方、
She is liked by everyone.
「彼女 → いる → 好かれる →(by)→ みんな」

この英文は受動態の文で
「S(主語)→ be(存在)→過去分詞 by 力の根源」
(Sが力を受けている)
能動態の文と受動態の文の違いは
「Sから力がでている」のか「Sが力を受けている」のか
ここがポイントなのですね。
くれぐれも、過去分詞(Vp.p.)に過去の意味はない

過去分詞(Vp.p.)は2つの意味「完了」と「受身」だけ。
「過去分詞」という用語は
「受身・完了分詞」って考えた方がイイですね
(上の英文の場合は「受身」です)
<例10> She has lived in Canada for three years.
「彼女 → 持っている →(すでに完了したことは: Vp.p.)住む →
(in)→ カナダ →(for)→ 3年 」
(注) 学校文法では助動詞である
have(has)をあえて「持っている」と訳しています!
学校文法では、この英文は現在完了の文で
動詞の形は「have(has)+Vp.p.」
『継続』『完了』『結果』『経験』の用法がある
なんて説明されますよね。
(ちなみに、上の英文は『継続』用法です)
でも、実際、ネイティブスピーカーはそんな用法は意識しない
現在完了形の動詞は「have(has)+Vp.p.」
これはネイティブ感覚では
『have(has)は「現在」+Vp.p.は「完了」(すでに完了したこと)』
現在完了形の理解のポイントは
『主語がすでに「完了」したことを現在も持っている』
過去形の文が「過去に起こったことだけ」を表現していて、
現在とは何の関係もないのにたいして
現在完了形の文は
「完了したことが現在に及んでいる」ということなのです。
先ほども説明しましたが、
過去分詞は2つの意味「完了」と「受身」だけです。
(上の英文の場合は「完了」です)
<例11> I read the story written by Shiba Ryotaro.
「私 → 読んだ → その小説→
(すでにされたことは: Vp.p.)書く →(by)司馬 遼太郎 」
学校文法では この written by Shiba Ryotaro は
過去分詞の形容詞用法って言って
「後ろから前の名詞を修飾(=説明)する」なんて説明されますよね。
しかし、英語は、
"私(主語)"を中心に順序通り広がる構造を持っている
「私が読んだのはその小説なのだが
その小説は書かれた 司馬遼太郎に」
先ほども紹介しましたが、
名詞の後に準動詞が来たら
「名詞の説明が始まる」ということです
最後に、くれぐれも
英語の語順構造にそって理解すること

単語が並べられた順序にそって理解すること

この『英語の大原則』が理解できれば
リーディング力が向上します。
もちろん、このことは、
リスニング、スピーキング、
ライティングにも応用できます

リーディングは、文字を目で見て“理解”する。
リスニング は、音声を耳で聴いて“理解”する。
スピーキングは、“理解”したことを話すこと。
ライティングは、“理解”したことを文字で書くこと。
この4つの分野はすべて“理解”という共通点があります。
世界のどこの国の人間も、
言葉が発せられた順に理解している

本を読むときでも
ひとつの文章が終わった後、
文末から逆さ(←)に理解していく読者っていますか

単語が並んでいる順番(→)に
理解していきますよね
話されている言葉でも
単語が口から発せれられた瞬間に、
一つ一つ順番に理解していきますよね
でも、なぜ日本人は英語を文末から読んで理解しようとするのですか

英語の単語の並べ方、つまり、
語順というものは
"ネイティブスピーカーの思考法"から始まったもの
英語的な思考を学ぶことは
"ネイティブスピーカーが考える方法で思考すること"
『英語を学ぶ大原則』を理解して
英語の世界をエンジョイしましょう

The End

[関連記事]
【ブログ】ついてるレオさん"Happy English School"

英語理解の大原則! ( 5 7 2014)
【ブログ】ついてるレオさん"ハッピー日記"

「英語を学ぶ大原則!」 第1法則 ( 1 17 2012)
「英語を学ぶ大原則!」 第2法則 ( 1 18 2012)
「英語を学ぶ大原則!」 第3法則 ( 1 19 2012)
【初級編】 英語上達のヒント!
英語上達のヒント! (1) ( 6 5 2014)
英語上達のヒント! (2) ハインリッヒ・シュリーマンのお話 ( 6 6 2014)
英語上達のヒント! (3) ( 6 7 2014)
英語上達のヒント! (4) 「内在化」のお話 ( 6 10 2014)
英語上達のヒント! (5) 「知的記憶」と「運動記憶」のお話 ( 6 11 2014)
英語上達のヒント! (6) 「日本語脳」と「英語脳」のお話 ( 6 12 2014)
英語上達のヒント! (7) 英語はそのままの英語で理解する ( 6 14 2014)
英語上達のヒント! (8) 「英語脳」をつくる方法 ( 6 18 2014)
英語上達のヒント! (9) 「英語脳」をつくる方法 洋書編 ( 6 17 2014)
英語上達のヒント! (10) 英語発音トレーニング(1) ( 6 23 2014)
英語上達のヒント! (11) 英語発音トレーニング(2) ( 6 24 2014)
英語上達のヒント! (12) 英語発音トレーニング(3) ( 6 25 2014)
英語上達のヒント! (13) 英語発音トレーニング Advanced(1) ( 6 26 2014)
英語上達のヒント! (14) 英語発音トレーニング Advanced(2) ( 6 28 2014)
英語上達のヒント! (15) 英語で歌おう! ( 6 30 2014)
【中級編】
英語上達のヒント!(16) 【中級編】 英語で考える 英語で話す(1) (10 8 2015)
英語上達のヒント!(17) 【中級編】 英語で考える 英語で話す(2) (10 9 2015)
英語上達のヒント!(18) 【中級編】 英語で考える 英語で話す(3) (10 10 2015)
英語上達のヒント!(19) 【中級編】 英語で考える 英語で話す(4) (10 14 2015)
【練習問題】 Space odysseys

Cygnus X, one of the most active regions of star birth
in the Milky Way galaxy, is pictured in this NASA handout image
obtained by Reuters January 10, 2012.
「シグナスX → ひとつ →(of)→ 最も活動的な場所 →
(of)→ 星の誕生→ in)→ 銀河系 → です → 撮影された→
(in)→ このNASAの画像 →
(すでにされたことは: Vp.p.)→ 獲得された→(by)→ ロイター→1月10日 2012年」
The composite infrared image taken by NASA's Spitzer
Space Telescope shows the cloud of dust and gas 4,500
light years away from earth in the constellation Cygnus.
「その赤外線合成画像 →(すでにされたことは: Vp.p.)撮影された→
(by)→ NASAのスピッツァー宇宙望遠鏡 →
表わしている → その雲 →(of)→ ほこりとガス→
4千500光年→(away)→(from)→ 地球→(in)→ 星座 シグナス」
Most stars are thought to form in huge star-forming regions
like Cygnus X.
「ほとんどの恒星 → です →(すでにされたことは: Vp.p.)思われている →
(これから起こることは: to)→ 形成する →
(in)→ 巨大な 恒星を形成している → 場所 →(like)→ シグナスX」